なんか最近、髪が薄くなってきた。かすかな変化だが、しかし確実に変化している。
まだ20半ばで、代々フサフサの家系なので正直寝耳に水の感が強い。
そもそもハゲるとは思っていなかったが、ハゲたところで別に大したダメージはないだろうと高をくくっていた。
生まれてからこのかた、自分の顔の評判はあまりよろしくなかったし、ハゲでデバフ食らったところで大差ないだろう。
散歩しているときも、麗らかなお姉さんではなく、おじさんの頭部ばかりに目がいくようになってしまった。
道端でピカチュウを見ても、なんだよピカって……喧嘩売ってんのか……となる。
自分の顔がどれだけ好きだろうが嫌いだろうが、社会生活を送る上で、鏡を何度も見る羽目になる。
その見慣れているはずの自分の顔の、上の部分が妙に寂しい。
アイデンティティの核とも言える自らの顔の一部分が、徐々に欠落していく。
中学生の頃、チンゲが生えてきたり、急に声がガラガラになったときの不安感を彷彿とさせる。
でもそれはある意味では大人の勲章とも言うべきもので、不安とともに妙な誇らしさがあった。
今の今まで、明らかにハゲているのにそれを認めないような髪型している人をすこしバカにしてたんだけど、
おそらくああいう髪型の人も、自分の髪型が変ではあることを認識している。
他人から笑われるような髪型をしていることにとっくに気づいていると思うんだ。
それでも、自分自身のアイデンティティ、過去の毛髪量の幻影にしがみつかざるを得ない。
母方の祖父がハゲだったらだめってきいたよ。「母方の祖父がハゲているとハゲる」75%
ついに _____ / ヽ 彡 ミ彡 _ノ ヽ、_ ミミ彡 ・ ・ ミミ < ぬるぽ( ////(__人__)//// )ゝ ` ...