28歳 女
母の辛く苦しんでいる姿をわすれることはない。
もう子供とは言えない歳の兄だが、自立した生活は送れていない。
わたしの子供も同じような障害を抱えて産まれてきたら、心のそこから愛せるのだろうか。
母の苦しみ、兄へ抱く感情、それらを思うと、愛せる自信がない。
だけど、そうじゃない、「健やかな我が子」を抱きかかえる未来への羨望。それは確かにあるのだ。
いちかばちかな気持ちで子供を作るほど、わたしに植えついた負の感情は弱くない。
そうなると、どうしても「自分の子供がいない未来」しか見えない。結論はいつも同じ。
それでも羨望は消えない。
幸いにも、パートナーは「2人で過ごす未来」を受け入れてくれている。
年齢的に相手はまだ子供を作ることができるだろう。相手がわたしでなければ。
もちろん38歳で絶対に産めないということは無いかもしれないが、さまざまなリスクが今とは段違いに高くなっている年齢だ。
今そのリスクを受容できないのに、38歳の自分が受容できるだろうか。
世の女性は、この気持ちにどうやって折り合いをつけているのだろう。
子供を産むことに葛藤のない、それが当たり前と信じて疑わない女性もたくさんいる。
産まないことを選んだ女性も。
3人くらい作ったら一人くらい問題があっても大丈夫や
3人くらい作ったら一人くらい問題があっても大丈夫や
医学的DNA的な血縁に拘る理由は?