タイトルは忘れた。
主人公は良くある家庭の女性、彼女は姉で弟がいる。母親は性にたいして潔癖で、たとえば彼女がリカちゃん人形の下着をおろしマジックペンで陰毛を描いたことに激怒する。
母親は、弟にはあまい。多少のわんばくをしてけがをして帰ったり、好きなことをやらせてもらえる。彼女は彼が嫌いだ。
彼女は普通に就職し、普通に生きる。母親は「お年頃なんだから」と言い、彼女は衝撃を受ける。すこしやけになった彼女は同じ会社に勤める男性とセックスする。「あのさぁ、いい年してるんだからもうちょっと下着を考えてくれないと気分がでないよ」、彼女の下着はこどもがきるようなへそが隠れるような綿パンツだった。彼女はとても恥ずかしく感じる。
弟はやはり憎い、好きに生きて失敗しても愛される。私は失敗したら怒られ、好きにしたら怒られる。会社の男も、嫌いだ。
彼女は自分が認められる方法を考える。足首にロープを結び、ドアノブに掛ける。床に座った彼女は両手をつかって後ろに下がる。ぴん、と足が伸びる。彼女の手元には農作業で使う手斧がある。振り下ろす。
母親は彼女を心配する。たぶんずっと心配してくれる。弟は彼女に言う、姉ちゃんはなんであんなことしたんだよ母さんは姉ちゃんに構ってばかりて俺さびしかったんだぜ。ばーか、と彼女は思う。なんにもわかってない、あんた。あたしお母さんを手に入れた。たぶん、ずっとだ。