アカミミガメについては、生態系等に被害を及ぼすことが懸念されることから、2005年の外来生物法の施行に合わせて法律に基づく特定外来生物への指定が検討されましたが、野外での繁殖が確認された事例が少ないこと、大量に飼育されており指定により野外への大量遺棄が発生するおそれがあること等の理由から指定が見送られました。
しかしその後、野外での繁殖確認事例の増加や、在来水生植物の食害、在来種ニホンイシガメへの影響、農業・水産業等への被害の知見が集積され、2015年3月に環境省及び農林水産省が作成した「生態系被害防止外来種リスト」において、「緊急対策外来種」に位置づけられました。
現在アカミミガメは都市部を中心とした水辺環境に蔓延し、きわめて身近な生き物となっている一方で、自然度の高い地域にも侵入し地域の生態系に影響を及ぼしつつあるなど、外来種問題を考える上で象徴的な存在となっています。また、依然として一般家庭で大量に飼育されている現状があります。こうした状況を踏まえ、下記のアカミミガメ対策推進プロジェクトにおいて規制の検討を行ってきたところです。具体的な規制の内容・開始時期については未定ですが、上記の課題等も踏まえ十分に議論を行った上で、早期に進展できるよう引き続き検討していきます。