2019-11-22

あるところに5人の人がいました。

そのうちの4人は考えうる限り最も幸福暮らしました。

誰もに認められるような、橋本環奈広瀬すず夏目雅子のような美貌を持ち、愛する人に囲まれ、病苦で長く苦しむこともなく天寿を全うしました。

しかし、1人はとても幸せとは言えませんでした。

北九州で口のうまい男に家族を乗っ取られて風呂場に閉じ込められて自分下痢を食わされ殺されたか、あるいは

父親の友人に90度の浴槽に投げ入れられ殺されたか、あるいは

知人の飼ってるチンパンジーに顔と手をむしり取られて殺されたり、そういうむごい死に方をしました。

さて、この世界には死後一つの意識に吸収されるというルールがありました。

死んだ人々は一つとなり、記憶意識も共有されます

死後他人記憶を引き受けるというルールがあまりにも重いので、政府は一つの政策を設けました。

それは「想像を絶するような不幸なできごとに見舞われた人をなんとしても幸せにする」というものでした。(その人が生き残っていれば)

できるだけ本人にそのトラウマを克服してもらい、できるだけその激しい絶望苦痛記憶を和らげてもらってから寿命を迎えさせて一つの意識に吸収してもらうことで、

みんなが受け取るその人の記憶を和らげることがねらいでした。

こういうむごい犯罪が起きないように加害者厳罰化も叫ばれましたが、厳罰を受ける加害者記憶も引き受けなくてはならないため実行にはいたりませんでした。

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