うんちはうまいという言葉はもはや定説になっている。俺は常識を再発見するという使命に基づきこの常識を疑ってみることにした。
まず食べたのは俺のうんちだ。
うんちうまいコミュニティによると、肉ばかり食べているうんちはまずいという。
それらを3日間食べ続けもはや俺がヴィーガンか何かになりかけていたとき、便意は俺に襲いかかってきた。
いままでの普通の便意じゃない。最高に我慢したときのあの便意だ。
俺はリビングに読売新聞と朝日新聞を広げた。60インチの消えたテレビは画面に俺の姿を反射させた。
うんち座りだ。
まさか36歳のおっさんがリビングでうんちをする光景を反射するなんて、テレビとして幸せだったなと思いつつ力んだ。
ーーーー 一瞬。それだけだった。それで全てのうんちは放出された。脳内に「光速の脱糞」という文字が思い浮かんだ。
その後はうんちうまいコミュニティおすすめの時短調理法である炊飯器に具材を入れて30分待つだけだ。
妻が7時20分には帰ってくる。今は6時40分なので食べる時間には気を使わなければいけない。なるべく早く、である。
出来上がった。うまそうだ。齧り付いた。うまかった。
先人の知恵とはこういうことか。よくわかった。常識は常識であるからこそ常識なのだ。それを発見できただけでも良かった。この姿勢はこれから大事にしていきたいものだ。
うんちじゃなくてうんこな、間違えるな