忘年会とクリスマスシーズンになると例年、「頭部外傷」の人が毎晩、続々と運ばれてくる
救急車で夜間診療にやってくる人の半分以上がこういう人の日もある
怪我をした人がいるといちおう事件性が疑われるので、警察官が付き添ってくることもある
そして運ばれてくる人のほぼ全員が酔っ払ったおじさんだ
救急隊員の人がおじさんのプロフィールと怪我の概要を警官に淡々と説明する
隊員の人も慣れたもので、そのナラティブにはよどみがいっさいない
救急車の中で付き添いの人から聞き取った内容をまとめて話すのだろう
47歳男性、本日20時から23時にかけて某繁華街のバーでハイボール7杯を摂取、かなり酔っている様子、退店時に階段を降り、後ろで物音がしたと思ったら、さかさまになって転がっていた、頭部の切り傷は5cm
こういう光景が年の瀬になると、毎晩、毎晩、毎年のように、ほんとうに毎晩、くりかえされる
まるで、おじさんは年の瀬に酒を飲んで酔っぱらってすっころぶために生きているかのようだ
そんなわけないのだろうけれど、あまりに規則性が高いので、そんなふうに思ってしまう
文明とは
進化とは