20xx年、人類はバイオテクノロジーの進歩により、自らの肉体の性を自らの意志で自在に変更できるようになった。また、整形、増毛、若返りなど諸技術が飛躍的に発展し、かつ廉価となったため、見た目からは実年齢や本来の顔面がどのようなものであったのかは分からくなった。これにより遂にLGBT問題は根本的な解決を迎えることとなった。
さらに言うならば、20xx年においてはARやVRが主観的には現実と区別のつかない空間となっている。そのため、人によっては現実空間ではベーシックインカムのみを頼りに暮らす貧困者だが、仮想空間ではイケメンの大富豪で美女を侍らせ酒池肉林三昧暮らし、現実空間の肉体は全自動の生命維持装置に身を沈めている(この時代の人間はこういう状態を「沈没」と呼ぶ)といった、2018年現在の我々の想像を絶するギャップを抱えた人間も存在するようになった。
続けたまえ