それはクソ動にうpしたVR動画の主コメだ。主は俺だ。完成度はプロ級なのだが、2021年のVR業界は俺に気づかなかった。
2018年に発生したバーチャルyoutuberの世界的流行が全てを変えた。震源地はその前年末、日本から始まった。当時工学部の腐った1年だった俺は、ある動画の10:40〜を見て変わった。いままでの惰性的な日常が一変した。それから今までの時間はまるで秒速30万kmに感じれた。わけのわからんツールを使い、間違えて間違えてようやく動画らしいものが初めて完成したときの興奮は、鮮明すぎる。
就職はダメだった。中国やアメリカがとんでもない額の金を使ったから(現在は当時の3倍の市場規模だが)俺では到底無理だった。結局フリーターとして働き始め、ほぼ全ての時間を動画製作に打ち込んだ。心配し始めた親のツテで地元の工場の正社員になってしまったが、土日は部屋にこもっていたから親の心配はさらに高まった。だけど、それも今日で終わる。