マスダ(弟)「ドッペルはほっといて欲しいんだよ」
ミミセン「どうしてそんな現状から逃避することを?」
マスダ(弟)「逃避じゃなくて、“維持”なんじゃないかな。ドッペルは現状から進展させようとしても、それがどうしようもないと思っている。むしろ悪くなるんじゃないかとすら」
ミミセン「まあ、あの様子だと、兄ちゃんはあまり良いリアクションはしなさそうだ」
マスダ(弟)「まあ……多分ね」
タオナケ「それに万が一成就したら、マスダの兄ちゃんはペドフィリアになっちゃうわ」
マスダ(弟)「まあ……それも困る」
マスダ(弟)「だから、ほっといてやろうぜ。想っているだけで良いのさ。少なくとも今のところは弟みたいな存在で構わないんだろう」
ミミセン「……そうだね。これ以上は追及するのはよくない」
タオナケ「想っているだけで良いなんて私には理解に苦しむけど、当事者が誰も得しないなら仕方ないわね」
マスダ(弟)「とは言っても、その当事者がいないところで俺たちが好き勝手言っているだけなんだがな」
マスダ(弟)「じゃあ、俺はもう帰るからな」
タオナケ「そういえば、まだ気になることがあるんだけど」
ミミセン「なに?」
タオナケ「どうして今回は、こんなショートショート漫画っぽいノリで話が展開していったのか」
ミミセン「それって1ページ1ネタ系? 四コマタイプ? コマは横長? それとも正方形?」
タオナケ「まあマンガっぽいとはいっても、今回の主役のドッペルが出てきていないけどね。私たち外野が好き勝手言ってただけ」
ミミセン「……うん? ちょっと待って。いま、気づいてしまったことがある」
タオナケ「気になることばっかりじゃない」
ミミセン「僕たちが今まで会話していたのって、マスダだよね? 実はドッペルだったとかじゃないよね」
ミミセン「……教訓に習うなら、やめといたほうがいいかもしれない」
タオナケ「そのつもりで喋っていたけど……仮にそうだとして、どれがマスダの言葉で、どれがドッペルの言葉?」
ミミセン「……ややこしいだけだから、考えるのはやめよう」
シロクロ「ややこしいことばっかりだな!」
ミミセン「僕たちみたいな立場の人間がややこしい問題について首を突っ込むと、ろくな答えが出ないどころか余計にややこしくなるってことだね」
タオナケ「ややこしくなったのは私たちだけの問題じゃない気もするけど……」
シロクロ「じゃあ今後は無闇やたらと首を突っ込まないのか?」
ミミセン「それは……たぶん無理だろうね」
タオナケ「無理ね」
転換 マスダ(兄)「もう少し自分と相手の気持ち両方を整理させてから行動するんだな」 ………… ミミセン「やっぱりドッペル本人に聞くのが手っ取り早そうだ」 マスダ(弟)「も...
詰問 タオナケ「マスダの兄ちゃんって、ドッペルのことどう見えているの?」 マスダ(兄)「まあ、弟みたいな奴だな」 ミミセン「それはまたどうして」 マスダ(兄)「そんなこと...
現実 近所の公園広場にて マスダ(弟)「というわけで兄貴に聞いてもさっぱりだった」 ミミセン「マスダの兄ちゃんですら何となくで判断しているのなら、僕たちじゃ見当もつかな...
秘訣 マスダ宅にて マスダ(弟)「俺の仲間にドッペルっているじゃん。俺の格好をよく真似する奴」 マスダ(兄)「ああ、そいつがどうかしたか」 マスダ(弟)「仲間たちですら俺...