就職と同時に結婚して、一年半程経ったのでそろそろ妊娠してもいいかと考えた。
職場の女性上司に若いうちに産んだ方が楽だと何度か言われた。仕事が楽しくてうっかりするとそれなりのポジションを与えられるまで妊娠を避けてしまいそうだと思った。生きてるうちに親に孫を抱かせたかった。
色々理由はあるけど、一番は同年代に子持ちがまだあまりいないので試しに子どもを産んでみたいというのが大きい。
排卵日や基礎体温やなんかを調べて出来やすそうな日にセックスをした。企みを夫には特に話さなかったけれど気付いてはいたかもしれない。
結果的に、2ヶ月くらいで妊娠した。生理が遅れたので妊娠検査薬をフライングして使い、線が出た時にはオッと思った。これ本当に線が出るんだ、って面白かった。
結婚する前から、不妊体質だったらどうしようか、妊娠する気がしないなと思っていたので思ったよりあっけなく妊娠した。生育環境もあり、私に普通は訪れないと思っていたが、とにかく妊娠に関しては普通だ。
セックスしたら妊娠するという当たり前のことをしみじみと知り、たかがといってはナンだがセックス程度で命が出来るということに驚いた。
婦人科のエコーで初めて胎動を確認した日の帰り道はキラキラしていて、こうして普通の幸せを求めていくのだな、となぜか寂しい気持ちになった。そして、出産予定日という新しい楽しみな日をもらえたことが嬉しかった。