最近話題になっているジブリにおける映像披露の件について、どちらの立場が良どうこうということではなく自分が感じたことを書き連ねます。
本件について私が印象に残っているのは、宮崎監督の言葉ではなく鈴木プロデューサーの「どこにたどり着きたいのですか」という映像を披露したIT企業のスタッフに対する質問です。この質問は、"人工知能を用いて作成した映像を世の中に出すことで社会に対してどの様な影響を与えたり、メッセージを発信したいのですか"ということを問うている様に感じました。
恐らくジブリは、今までこのような視点(アニメーションを通して世の中にどのようなメッセージを発信するのか)を持って映画を作り、世の中に発信し続けてきたであろうので、ジブリ側の人間からすると当然といえば当然の質問だったのかもしれません。
私は、一IT技術者のはしくれとして今回の件は考えさせられました。世の中が求めるままに求められたものを作る。これはある程度正しいですが、間違っている場合もあるような気がします。形はないですがシステムや製品を作り世の中に届ける組織やチームとして、"どの様なメッセージを社会に発信する"というまでの高次元なことは考えるのが難しいにしろ、せめて"どの様なもの作りたいか"という思想や哲学は持たないといけないと感じました。