gleeが好きだし、ああいうエンタメ作品が作れて売れるアメリカの成熟に憧れと尊敬があるから、振り返って日本の売れるとされるエンタメがHKT48のあの歌であることが、悲しい。ただ、心から「バカでありたい」と願う若い女の子が本当に存在するとしたら、その子はむしろ社会に生きにくさを感じていて、極力摩擦を少なくそれを解決する方法がバカ化だと判断したのだろうから、むしろ賢い。バカでいたら社会は許容してくれるんでしょ、という姿勢に対して現状の社会がYESと答えているならば、真に馬鹿なのは社会の方だ。私はもう若い女子ではないので、今回はあの歌に馬鹿にされた社会の一員側として怒りたいと思う。私たちの社会は「バカなフリすれば上手くやれる」ような軽薄なものを目指していない。老若男女、真剣に考え誠実に行動する個人が報われる社会を目指している。それが文明ってものでしょう。
チャラン・ポ・ランタンというユニークなガールズユニットが好きだ。アメリカのスイートハートであるテイラースイフトを見つめた「テイラーになれないよ」という歌が好きだ。テイラーという圧倒的人気者に憧れる自分の感情を自覚しつつも「テイラーだって私にはなれない」と自分らしさを愛する挑戦をしている若い女子の歌。その葛藤を応援する社会の一人でありたい。