「彼が騙されたのは彼がバカなせいだ」
「あの家が泥棒に入られたのは窓を開けていたせいだ」
多くの犯罪が被害者に最初の原因があることはある。自分も上記のようなことを思ってしまうことがある。
だけど、その言葉を公の場所で口にする人や、SNS上に書き散らす人を見るとひどく不愉快な気分になるのは何故だろう。
因果関係を考えればそりゃそうだけど、それを言っちゃダメな気がするんだ。
ということをぐるぐる考えていて、ああこれはいじめと同じ形だからだな、と思った。
「だってアイツうざいし」
と言うだろう。
いじめの被害者は「きもくて」「うざくて」「生意気」なのに、それを改めたり対策をとろうとしなかったからいじめの被害にあった。
人を不快にさせない清潔感のある見た目になることと、夜道を歩かないことは同義であり、
うざがられないコミュニケーション能力をつけることは、窓に鍵をかけることと同義である。
そう思っているのだろう。
しかし、例え被害者が「きもくて」「うざくて」「生意気」であろうと、いじめられる正当な理由には成り得ない。
暴力を受けたり、金品を脅し取られたり、精神的に迫害されるほどの罪ではない。
いじめは圧倒的に加害者が悪い。そして犯罪も、犯罪者が圧倒的に悪いのだ。
被害者が夜道を歩こうと、出会い系を利用しようと、バカだろうと、うっかり窓を開けていようと、被害に遭って当然と言える程の罪とは言えない。
彼らの過信や過失は己で反省すればいいのであり、外野が口に出して追い打ちをかけることではないのだ。
全く罪のない人が被害に遭うことに比べて、被害者に落ち度があったほうが安心することができるから。
だけど、少なくても公の場所では口にしないようにしたいとも思っている。