うちの職場の特徴なのか、業務がやたらと複雑にしてしまう傾向になる。
例えば、1枚の申請書に対する対応マニュアルが150枚あったりする。
誰もそんなマニュアルは読まないし、読み切れないので対応にミスが出る。
「もっと簡単にできませんか?」と何度か提案はしてみたものの、難色を示すばかりで改善しようとはならなかった。
記載量は多いほうがいい、ページがいくらあっても問題がないという考え方がある。
その業務自体はアウトソーシングしているので、ミスがあった場合に相手を非難する根拠となるからだ。
その際の対応は「しっかりマニュアルを確認してください。」「確認して処理します。」といった会話だけで抜本的な解決には至らない。
前置きが長くなってしまったが、なぜ仕事を簡単にすることができないのかという壁にぶつかってしまっている。
恐らく、「簡単=劣っている」という考え方がどこかにあるんだと思っている。
例えば、らくらくフォンは簡単に使えるかもしれないが、そのユーザーはどこか見下される傾向にある。
これはらくらくフォンが機械に詳しくない人にとってバリアフリーな機器であることからきているように思う。
通常のものが使えないから特別に配慮されたものしかうまくつかないといった具合に。
だから簡単にするという必要が出た場合、誰かができないからそのために配慮して簡単にするという考え方をしてしまい、
それに対し肯定的にことを進めることに抵抗があるのではないだろうか。
前述した業務に関する問題が求めるところの「簡単さ」は性質が違うもので、
バリアフリーデザインに関連してよく出てくるユニバーサルデザインの考え方に近い。
誰にとってもやりにくい設計がされてしまっており、これについて対処することは、
特定の誰かではなく、すべての人にとって益のあることであるという考え方である。
結果として簡単にしたことにより、今までそれができていなかった人ができるようになるかもしれないが、
それはバリフリーの、特定の誰かを目的としたものとは性質が違うわけだ。