2015-11-20

返報性の原理が当てはまらない人たちについて

かなり昔にちょっと心理学を習っていて、そこで「返報性の原理」という言葉を知った。

一応簡単に説明すると「恩を売っておくとそれを申し訳ないと思う相手から必ずお返しが来る」という人の心理のことだ。

営業とかでもまずこちら側から相手に対して何かを「してあげた」と思わせる行動をすると、あとから自分のためになる行動をしてくれるようになるんだというふうに教えられた。

ところが社会人になってみると返報性の原理どころかこっちが何をしてあげても全く気にしないというか、むしろこちらはしてもらって当然でお礼を言うのも嫌だというような人間が非常に多いことに気がついた。

ビジネス教科書にあるような「最初は試供品を無料差し上げ、次に購入をよびかける」「もともと安いものを悩む演技をして値下げして売り、あとから高いものを売る」みたいな方法も全く通じない人が実に多い。

職場人間関係においても、心理学教科書にあるような「私がやっておきますね」という態度をとることで周囲に仕事を頼みやすくなるということも全くなく、それどころか前もやったんだから次もお前がやれという態度をとってくる人が多く、ああ社会では自分が先に損をするということは次も損をさせられることなんだと思った。

返報性の原理なんて心理学は遠い昔のことで今はそんなもの存在しないんだと思っていた。

少し前までは。

もつ最近思ったのは、そういう返報性の原理が通じない人たちってそもそも自分が周囲の人に比べて絶対的に「損をしてる」って思ってるんだろうなっていうふうなことだ。

自身だって総資産が数百億以上という人から1万円くらいを「いいよいいよ、気にしないで」とか言われてもらっても、「相手に悪い。絶対あとでお返ししよう」とか思わないだろう。

俺は今まで職場でもお客さんでも、相手と自分は対等な関係から返報性の原理みたいな心理学が当てはまるもんだと思っていただけなんだ。

今目の前にいる人のほとんどは、生まれながらに「自分はなんか損してて、相手はきっと自分よりも何十倍も得してる。だから相手からの親切なんて踏みつけても全然かまわない」と思ってるだけなんだ。

そうでも思わないとやっていけないような気がしてこんなことを書いた。

返報性の原理が通じる人とつきあいたい。

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