「誰も分かってくれない」「私はここにいる」
そう言いたいのなら、まずは自分から立ち上がって声を上げなければならないと思う。
最近ようやくニュースなどでも取り上げられるようになったけれど、まだまだ同性愛に関する知識が広く知られているとは言えない。
高校時代、クラスの男子がゲイではないかという話になったとき友人が「でもあいつ女っぽくないよ」と言っていて、こんなものかと思った。何も知らない。それは、知らされていないからなのではないか。
なんの気なしに「皆さんは女性ですから、この先すてきな男性と結婚して子どもを産むでしょう」などと話す人がいる。でもきっと、この人には悪意がない。ただ知らないだけなのだ。男性と結婚せず子どもを産まない女性がいること、その発言で深く傷つく人がいることを。
無知は罪かもしれない。でも、この世には「知っておくべきこと」が多すぎる。
自分の知らないことに気付いても、インターネットで検索すれば答えは出てくる。でもそれらをすべて覚えておくことはきっとできない。私も、何度検索してもアセクシャルがなんだったかなかなか覚えられない。
ではどうしたらいいのか。それが“You must come out.”に繋がる。
もし友人にアセクシャルの人がいれば、直接話を聞けば、きっと一回で覚えられる。ただの言葉の羅列ではなくて友人を構成する一要素なら、きっと忘れることはない。(もし友人の中にアセクシャルの人がいたらぜひ詳しく教えてほしい)
先日、友人にカミングアウトした。ゲイはみんな女っぽいと思っていた友人だ。私がその友人に何かを与えたとかそんな傲慢なことをいうつもりはない。ただ、カミングアウトした今でもそれまでと同じように会おうと誘ってくる友人は、きっとこれから先に出会った同性愛者にも偏見を持たずにいてくれると思う。「レズビアンは男っぽいんでしょ」などと言わないと思う。
知ってほしいなら、自分から言うしかない。何も言わないで「誰も私のことを分かってくれない」なんて傲慢だ。と、自分に言い聞かせている。
もちろんカミングアウトにはタイミングがある。タイミングを読み間違えると言った方も言われた方も負担になって悲しい結果になるだろう。だから無闇にカミングアウトしないほうがいいと思うし、アウティング(人のセクシャリティを勝手に漏らすこと)は絶対にやめてほしい。