昨日仕事が辛かったとき、「今、神様に一つだけ願いを聞いてもらえるとしたら何にするか」という妄想で乗り切ろうと、願いの中身を検討していた。
以前もっと辛かったときなら「ぜんいんころしておれもしぬ」みたいな願いだっただろうけど、今はそこまで悪くないので、もう少し建設的に行くことにした。
目の前にある仕事を一気に片づけてほしいか?
否、この仕事は客商売だ。業務時間内は常に新しいタスクが発生するし、その日発生した分が終わるまではどうせ帰れない。
一切のミスも遅れも出ないほどの超有能になりたいか?
否、別に有能になること自体に憧れはない。仕事の有能さなんて結局、新たな仕事をゲットする役にしか立たない。今より仕事増えてほしくない。
それに、客は来るときはまとめて一杯来る。どれほど有能でも、10人いっぺんに来たら誰も待たせないことは不可能だ。
どれほど待たせても怒られない特権がほしいか?
否、表面上怒られなくてもイライラは内に蓄積されるものだ。苛立っている人がそこに存在するというだけで十分怖い。後でこちらの悪口を言われたりするのも嫌だ。
などなど考えて最後にたどり着いた願いは、「客は全員、やってきた瞬間に時間が停止して、自分の番が来た時に解除される仕様」だった。
つまりこっちの仕事量は何も変わらないが、客の主観的には全く待たされていない状態だ。
仕事量が増えてしまうのはいい。業務時間を過ぎれば新たなタスクは発生しないから、頑張って一つ一つやればいつかは終わる。
ミスしてしまうのは、もちろん良くないが、自分の失敗で怒られたりするのは仕方ない。
でも、客が一度にたくさん来て待たせてしまうのは、どう考えたって俺のせいじゃない。俺のせいじゃないのに、早くやらなきゃってプレッシャーで死にそうになる。
これはきっと、俺が元々ノロマで、なんでも「もっと早くしろよ!」と怒られてきたからだと思う。
理屈では自分のせい(だけ)ではないとわかってても、待たせることに対する恐怖がすごくあって、パニックになってしまうのだ。
しかし、だとすると客商売はかなり向かないタイプかもしれない。進路選択を誤った。
あ、でも同僚や他のスタッフを待たせるのもプレッシャーなので、客商売じゃなくてもダメだなきっと。
俺のタスクが終わるまで客だけじゃなく俺以外の世界のすべてが時間停止してほしい。
なんてことを考えながら手を動かして、どうにか仕事は終わった。
こんなこと考えてるから遅いのかな。