2015-07-20

増田に書けばフィクションって事で済まされるよね!24

台風の季節になると思い出す、夏休み強敵(とも)。

たかし。



数年前、夏休みの少し前あたり。台風直撃下の神社境内。雨が真横に降り注ぐ素敵な光景の前に、当然ながら参拝者の姿など影も形もない。



参拝者「(ガラッビュウゥゥゥゴオォォォヒイィィィィガラッ)ハァ…、ハァ…、すいません」

神主様「……こんにちは(おいおい嘘だろ台風直撃中だってのに人来たよ)」

参拝者「ハァー。ちょっと、そこ座って待ってて。(従う推定九歳児と推定三歳児)」

神主様「…。(しかも小さい子を二人も連れてきたのかよ)」

参拝者「御祈願を…、お願いしたいのですが」

神主様「どのような御祈願ですか?(この台風の中来たんだから余程切羽詰まった祈願なんだろうな)」

参拝者「え? うーん、特には…。普通ので」

神主様「(特にないんかい、じゃあ何でわざわざ台風の日選んで来たよ)家内安全ですね。ご住所を」

参拝者「〇〇県〇〇市…」

神主様「(嘘だろ…かなり飛ばしても三時間くらいかかるぞ)はい。続いて皆様のお名前を」

参拝者「〇田〇夫、〇子、〇美、たかし!(突如顔を横に向け大音量で絶叫)」

神主様「…、(大音量の直撃を受け麻痺)」

参拝者「たかし! ダメたかし!」



    社務所を離れ、台風の中に出てゆくたかし。



参拝者「(母の叱責にしぶしぶ戻ってくる感じの推定三歳児を見て)まったく…あ。すみません

神主様「…、(麻痺より回復)いえ。たかしさん、で宜しいですね?」

参拝者「はい(笑)

神主様「(さっきの音響爆弾に対する謝罪はないのかよ)どのような字を書かれますか?」

参拝者「えっと、たかしは…高い低いの高いに、たかしっ!(再度首を真横に向けて絶叫)」



   社務所を離れ、台風の中へ消えてゆくたかし。



参拝者「たかしっ! 出てっちゃダメたかしっ!」

神主様「…、(先程を超える大音量の直撃を受け麻痺)」

参拝者「待ちなさいっ! たかしっ!」

神主様「…、(麻痺より回復)あとで受付いたしましょうか? 先にお子さんを…」

参拝者「ありがとうございます!すいません!(ダッシュ)」



台風に飛び込んでゆく母。背中が怒っている。

背景といい表情といい、多分たか目線だと物凄く恐ろしい光景。なんたって、荒れ狂う台風の中で憤怒の表情を浮かべた母親自分めがけて全速力で突っ込んでくるんだから

唐突に、頭の中で坂本真綾の「マメシバ」が流れる。(

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん