世の中には色々なフェチがあって、まあよく耳にする匂いフェチとかは、案外自分が当てはまるのかもしれないなぁ、とぼんやりとは考えていたのだけど。
ついこの間、お遣い、があったので彼が働くスーパーに涼しい顔をして買い物に行った時の事。いつもはレジ打ちをいそいそとしている彼がその日に限ってセルフレジを担当していたのだ。
お遣いを頼まれた品物を手に持ち、レジに向かおうとするとセルフレジに彼を見つけ、普段なら間違いなく有人レジに並ぶのだがその時は暑さで頭がやられていたのかもしれない。気付くと私の足はセルフレジへと向かっていた。
レジ締めをしている彼を尻目に、その場所から一番遠いセルフレジに品物を置く。そうして設定が一通り終わった後、品物をレジに通す。するとセルフレジは 「年齢確認商品です」と話した。
お遣いで頼まれたハイボールは、セルフレジだとその場にいる店員さんに年齢確認をしてもらってからでないと買えない仕組みになっていたのだ。
そうしてその声を聞きつけたのか、レジの上に立つポールが光った事に気付いたのか、彼は私がレジを通していたその場に颯爽と現れた。
風を纏い私の隣に立った彼に、死ぬほどドキドキした。けれどその時異変に気付く。
今の今まで間違いなく、そんな様子はなかった。けれど彼が私の隣に来たその刹那、独特な匂いが辺りを包んだ。
幾度か嗅いだ事のあるこの匂いは絶対にそうだ。いや、しかしまだ彼が そう だとは決めつけてはいけない たまたまの可能性だってあるのだ。
そうして私の元を去り、レジ締め業務に戻った彼が、少しした時、私の隣にあるセルフレジに同じように年齢確認をしに来ていた。
もしかしたらたまたまではないのか え?本当に? 心の中で私が会議を始める。そうして短い会議の後結論が出た。
絶対、ではないのかもしれないけど彼は多分、きっと、ワキガだ。
その事実に自分でも最強に引くほど興奮した。あんなに可愛い顔をした彼がそんな疾患を持っているのかと だからついこの間まで暑いのに長袖を着用して仕事をしていたのかと
今まではレジを間に挟んでいたから匂わなかったのかもしれないし、もしかしたら暑さで軽度のワキガ臭が出ているだけかもしれない。
それでも、物凄く興奮した。彼がワキガだなんて、こんな事があっていいのだろうか。可愛い顔と、その匂いのギャップに私は酷く興奮し、スーパーからの帰り道をどう帰ったか全く覚えていない。
そして自分がまさかワキガに興奮する、そんな性癖を持っていた事にも驚いた。他の人ならワキガだ、と気付いた瞬間嫌になってしまうのに、彼だと興奮してしまうのだから本当にどうしようもない。
あれ以来、私の嗅覚は彼の匂いを思い出し、ふと鼻に匂いが蘇ってくるようになってしまった。そしてもっと嗅ぎたいと思うようにもなってしまったのだ。
脳内に焼き付けた彼の顔と、手、腕、腰つき、ヨタヨタのズボン、少し薄汚れた靴、それに加えて彼の匂いも私のおかずとして追加された。
実が無い増田を書いてしまった http://anond.hatelabo.jp/20150716210241