最近誘ってくれなかったじゃんと軽く小突くと、ごめんね、勉強会の方で、ばたばたしてたんだと言う。
ベンキョーカイ?ああ、メンマ検定技師の?休日まで大変だねーと労うと、実は勉強会で後輩達と揉めちゃってさと言う。
友人は名門大学のメンマ学部に入学し大学院まで出て見事メンマ検定技師になった。
卒業後少しして、教授から教え子たちに声がかかり、技術力向上と後輩達の育成を目的に勉強会を開催する事になったそうだ。その勉強会の方針で後輩達と揉めてしまったそう。
話を聞いていて、口にはしなかったが私は驚いてしまった。卒業して10年近く経つのにまだ大学と関わりがあるのかと。私は適当な大学に行き、全く関係のない仕事に就いた。研究室からの連絡なんて何もない。寄付を募るお便りは読まずに食べ、いや捨てている。
メンマ検定技師の友人は仕事も忙しそうだ。それなのに卒業後10年も経って後輩の面倒を見るなんて全く大変だ。
「意識高い」という文字がコバエのように目の前をうろつく。追い払うようにビールを煽った。正直辞めたいんだけどねーあっお通しなんだろ?小鉢を覗き込む友人。