バカ親に神童扱いされ続けた友人の話

2014-07-22

なんだか神童の話が盛り上がっているから書く。

私（♀）の友人にはごく普通のいい子がいた。

両親が教育熱心なようで幼いころからピアノや塾に通っていて、

かわいいし、なんだかいい匂いがするし、同性から見ても憧れだった。

だけど本人はかなり無理をしていたらしい。

一度家に遊びに行った時に、ちょっとヒステリックな感じの母親が、

ジュースを持ってきながら学校のことをあれこれ聞いてきた。

○○○ちゃん（彼女の名前だ）は学校でどうしてるかしら～

○○○ちゃんはあれもできる、これもできる～

○○○ちゃんは物覚えが良くて家事も進んで手伝ってくれる～

○○○ちゃんは神童だ～

神童すぎて学校でいじめられてないかしら～

徹頭徹尾、彼女の自慢をしていた。

私の産んだ子なのだから神童に違いないと思い込んでいるようだった。

ある種、宗教にはまった人と同じ目をしていた。

私は怖くなって、それ以降彼女の家には行っていない。

私と彼女は同じ中学校に入った。

彼女に模試で県内何位に入るように強烈なプレッシャーをかけてきたらしい。

良い子ではあったけど、ごく普通の子でもあった彼女は、

プレッシャーに耐えられずに不眠や拒食や円形脱毛症にかかっていた。

私は見かねて、児童相談所に相談に行った。

直接の暴力がないなら虐待には当たらないらしかった。

だけど、あれは間違いなく虐待だったと思う。

彼女の成績は上がることはなかった。

彼女はどんどん追い込まれていき、中学３年の半ばから不登校になった。

私は悲しかった。

１年ぐらいして、風のウワサで彼女が家出したと聞いた。

よくやった、あんな家逃げ出して正解だと思った。

彼女が遺体で見つかったのはその５年後だ。

どんな凄惨な人生をたどったのかは知らない。

２人の幼子と一緒に首をつって死んでいたらしい。

その話を聞いた日、私は一晩中泣いた。