「人生の意味を本気で考えだしたときが人生の終わりなんだよ」彼は言った。フライドポテトをつまむ手と、唇には油がこびりついている。そして続ける。
「それに気づいてしまった奴は一人残らず死んでる。具体的にはマンションの4Fから飛び降りてる」
「いいや。それも違うね。一般論すぎるね。本物はもっと早い。もっと早くに人生の意味を考え、小説はおろか、遺書1つ残さず死んでるんだ」
「でもね、生きている人だって沢山いるわ。そんなこと考えたこともない子も沢山。現に私がそう」
「そういう人は天才だよ。生まれながらの天才だよ…嫌そうな顔しないでくれよ。皮肉を言ってるんじゃない。僕はね、人生はテーマパークだと思っている。待ち時間と食事の代金が高いことを気にしなければ、楽しいことだらけさ。適度な刺激と、そして最近になって遊具の安全性が見直されたんだ。ほとんど死ぬことがない。そんな遊園地には奇妙なルールがある。それは裏側を見てはいけないんだ。例えば着ぐるみのファスナーを探したり。アトラクションの裏で巨大な機械が轟音を立てているのを見たり。そういうのを見てしまうと、決して元には戻れない。絶望して、観覧車のてっぺんから飛び降りるしか無くなるのさ」
「そこには救いがないの?一度気づいてしまったらもう戻れないのね?」
「救いはもちろんあるさ。それは簡単ことさ。ハリボテも、ファスナーの奥のおっさんも含めて世界だと認めることさ。そして僕らの世界は確かに作為的な、人工的なものによって作られていると知ることなんだ。その不完全な世界を、許してあげることさ」
この手の対話形式も古くからある俺TUEEEの一形態だよなあ キモっ