STAP細胞の問題が表に出てきた頃、ネット上でも私の周囲でもあのユニットリーダーが「自殺するのではないか」と心配する声が出ていた。私自身もそう思ったことは確かだ。
だが、よく考えるとこれはおかしい。例えばもしユニットリーダーが若い女でなく、例えば禿げた中年の冴えないおっさんだったら、果たしてそんな懸念を抱いただろうか。
おそらくそういう声は少なかっただろう。私自身、論文の是非や捏造の有無には関心を持っただろうが、著者が自殺するかどうかについてまで考えが行き届いたかどうかは怪しい。
そう考えるとやはり世の中は若い女には甘いのだと思う。自殺の心配をしてもらえるだけマシなのだ。
もしかしたら生物としての本能がそうさせているのかもしれない。若い女と中年の男を比べた場合、子孫を残すうえでの貢献度が高いのは前者だ。だから前者は守らなければならない。でも後者は別に大して重要ではない。いくらでも代わりはいる。私自身を含め、そんなことを無意識に考える人が多いのではなかろうか。
で、この問題について「科学者」と呼ばれている人物が以下のようなツイートをしていた。
実にあたまの悪いツイートであり、できれば学者とか研究者とか名乗るのは止めて欲しいと思ったくらいなんだが、一方で「生物であるヒト」の発する意見としてはもしかしたらこれがごく普通の感想なのかもしれない。
ユニットリーダーが件の研究分野で研究者として受け入れられることはもうないと思うが、世間一般で同情を集める余地はまだまだ残っているんだろう。