2013-10-12

カップルタックルした

金曜の夜。

酔っ払いだらけの電車の中。

手すりに捕まりもせずパズドラに夢中な女が、電車が揺れるたびにタックルをかましてきやがる。

27歳童貞な俺だが、最近では若い女性との肉体的接触などどうでもよく、とにかく非常識な振る舞いが許せない性分であるため、ただただ苛ついていた。

そんな中、隣で恐らく20代のカップルがイチャついている。

酒も入っているのだろう、今にも性的行為をおっ始めてしまいそうな雰囲気だ。

タックルをかます女とバカップルに挟まれた俺。

もちろんしこたま飲んでいる。冷静さなど微塵も残っちゃいない。

その上、バカップルたまたま降りる駅が俺と同じだったんだ。

俺は迷うことなく、降りる寸前、パズドラ女に倣い、カップルの男の方に思い切りタックルをかました。

奴は当然怒った。「おいあいつ今、俺にぶつかってきたんだけども!きたんだけども!!??」

俺は何もなかったような顔をしつつ、足早にその場を去った。

非常識な振る舞いが許せないとかほざいている俺が一番非常識ゴミであったのは間違いない。

それは自覚している。

一瞬後悔もした。俺は何てことをしてしまったんだろう。

彼らに罪などないではないか

しかし、しばらく経って、こうも思ったんだ。

奴はしばらく俺の悪口を彼女相手にまくし立てるだろう。

「何だよあのキモ野郎は!ふざけんじゃねーよ!死ね!!」

多分、彼女もこう返す「ホントだよねぇ~最近非常識クズが多すぎでしょ!!」

その数十分後、奴らは、非常に気持ちいい行為を開始するのである(いわゆるセックス的な何か)。

もう俺のタックルなんぞ頭の片隅にも残っちゃいまい。

それならば、俺のし行為はそこまで悪いことなのだろうか?

俺は今、一人で酔いにまかせて、こんなカスみたいな文章を書き殴っている。

そうしないと、自分を保てないからだ。

奴らはそんなことをせずとも、簡単にストレスを解消できる術を持っている(いわゆるセックス的な何か)。

それならば、せめてキモ野郎のタックルくらいは、許容しては頂けないだろうか?

…そんな自己中心的感情を突き詰めると、通り魔的な存在になるのかもなと、

少しだけ、ほんの少しだけ、彼らの気持ちが分かってしまったような気がした金曜の夜でした。

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