主にTwitterやFacebookなど、SNSにおける炎上などのインシデントが後を絶たない原因については、いろいろ考察がなされているところだし、まあどれが正しいとも正しくないとも証明することは難しいと思うので、どれも「一理ある」程度で受け止めているところです。
でも、最大の原因はおそらく「SNSユーザーの絶対数が増加したこと」なのでしょうね。
元々人間は、SNSなどがなくてもリアルの人間関係を築いてきたわけですが、SNSはその上にソーシャルの人間関係をかぶせてきただけ、言い換えれば、リアルとソーシャルという2つのレイヤーの人間関係がある、というイメージでとらえています。実際は交わりがあるわけですが、まああくまでイメージということで。
個人の視点で見れば、リアルのみの人間関係よりも、SNSを使うようになると人間関係が「広がる」イメージになるわけですが、例えば日本人全体で見ると、SNSがあろうがなかろうが分母は変わらないわけで、レイヤーが2つになって変化するのは「広がり」ではなく「濃密さ」ではないかと考えるわけです。
何かで読んだのですけど、「知り合いの知り合い」という言い回しが界隈で聞こえたりするわけですが、「知り合いの知り合いの知り合いの知り合い」とたどっていくと、ほぼ全ての日本人は4人目で明石家さんまさんに到達できる、という説があるそうですね。一瞬「そんなことないだろう」と思ってしまうのですが、よく考えてみると4人目だとかなり楽々到達してしまうように思います。非常に雑な計算ですが、知り合いが平均100人しかいないと考えても、4人目になるとのべ1億人になるわけです。知り合いが100人いないって、よほどの子どもか仙人でもない限りいないと思うわけです。
例えば私自身で考えると、どうやら私は3人目で明石家さんまさんに到達できるようです。つまり、私をハブにして、私の知り合いは全て4人目で明石家さんまさんに到達できることになりますね。
「知り合い」も人間関係には違いないですから、これはいかに個人の人間関係というものが無意識に広がっているものなのかということを逆説的に考えた面白い説ではないかと思います。
ソーシャルで人間関係が濃密になるということは、明石家さんまさんに到達できる平均人数が4人目から3人目に近づいていくことなのかもしれません。
伝言ゲームも、4人ぐらいならあっという間に到達してしまいます。SNSの発言の広がり方がイメージできない人たちが、インシデントを引き起こしているのであろうことは言うまでもありませんよね。