被害者っていうのはさ、楽なんだよ。社会的にね。「被害を受けたものなんです!」だからさ。
そこを「加害をしていたものなんです!」なんて言ったらさあ、ヤバい奴じゃん。加害者であるだけでヤバいのに行いを公言しちゃうなんて更にヤバいじゃん。お前は加害を肯定しているの?みたいな。加害者であれば、だいたいのことがパーになる。すげえ小説書いたり論理的な人であっても、加害者であればパーだ。「加害者が何言ってんの?」
加害者である自分がこれを書いてるんだから、よっぽど加害に対して思い入れがあるようだ。わたしは加害の報い、罰を受けなくてはならない。しかし私はなんと、私の予想以上に罰を避けきってしまった。罰はなにひとつ与えられることはなく、私は新天地で別人として始まることとなった。新天地への移動は私の思い通りであり、超絶ラッキーだと思っていたが、どういうことか新天地では奴隷のような生活を送ることとなった。
上手な飼い主は、逃げ遅れた馬鹿をゆるやかに奴隷にしていく。彼女ほど見事な奴隷使いを、私は他にしらない。彼女は上からの介入で、奴隷がいなくなり、私も彼女から離れた一人なので彼女のその後は知らない。
いまさら当時の罰を受けようがない。「なんとなく」で始まり強制終了された加害は、誰も真実をみつけないままになった。
「その程度の加害」なのかもしれない。これは私が言ってはダメな言葉上位であるが。
収容所、というのは全てをリセットさせる場所であり、出所するということは「本当に申し訳ありませんでした」という心に生まれ変わることだ。
私はいまだに生まれ変わっていない。「生まれ変わったとおもったけど、まだまだ駄目ですねえ」こんなところだ。だいたい、とっても楽しく加害を行ってきたので、「やっちゃダメなことだよ」と理解していても反省しきれない。
小学一年生のときの加害をここまで引きずることになろうとは思ってなかった。
ありきたりな言葉だけど、「やめときな」って伝えたい。お前はなまじ考える人間なんだから、耐えられることだけすればいいのに。
一番嫌なところ:「要領よく加害した自分って希少なのでは?」という恍惚
希少だとしても価値はない。ダサい。くだらない。でも、この恍惚を持ち続けてきた。ここが一番、重荷になっている。くだらない。捨てたい。生まれ変わらせてください。
そういえば、親の金を盗んでいたのに、双方ともに何も触れないまま月日が流れてしまった。これで「いままで反抗期がなかった人間なんですよ」紹介を親がするものだから、私はいつも腑に落ちない。あんたどうなってんだ。