2013-06-16

不都合な真実」を教育しない、小学4年地域社会教科書

たまたま子供(小4)の社会科副読本明治図書出版の「わたしたちの東京都」という副読本を見てみた。

東京奥多摩檜原村が取り上げられ、「山間部なので農業林業が盛ん」と書いてある。

しかし、そのページに檜原村職業比率(国勢調査結果)も円グラフに載っている。

それによると、畑・林業に従事している人は、実はわずか3%しかない。

建設業が3%、工場勤務が10%、商店旅館勤務が28%、病院介護勤務が30%、その他が26%。

まり、「農林業が盛ん」と文章では書かれているが、円グラフを素直に読めば、

「農林業従事者なんて、マイナーニッチ存在」と読み解くしかない。

なのに、文章では

「畑仕事する人や、林業にたずさわる人が多いほか、建設業にたずさわる人や、商店旅館にたずさわる人が多いです」

と、円グラフ無視した解説が続いている。

確か、小学4年では、算数の授業で、円グラフの読み方も教わる筈だ。

となると、円グラフを素直に読んだ児童なら、

先生檜原村では、林業が盛ん、と書いてますが、でも円グラフを見たら、病院介護が多いんじゃないですか?」と

質問するんじゃないか

そうすると、先生はどう切り返しするのだろう?

円グラフでは「最多勢力」である病院介護は、文章解説ではひと言も触れられていない。

あんな山奥で、病院は成立しないんじゃないか?と思うから

恐らく、「都内では立地しづらい、特別養護老人ホームの類が、檜原村に集中している」のでは?と推察される。

東京都の福祉行政の歪みが、檜原村に現出してしまった観があるが、そのような「大人の事情」「不都合な真実」を、

小学4年に説明するのは、まず無理だ。

檜原村の「実態」(介護関係者最多)を教育せず、「農林業のどかな村」というステレオタイプな像を教育したい、という

教育者の建前論」は、まあ判らなくはないが、それだったら、「下手に円グラフなんか、載せなければいい」と思う。

今度、子供にこの辺の入れ知恵をして、先生の反応を試してみようか?

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