2013-04-25

俺の乳首がクマモンを見に熊本県に行ったらしい

俺は32才の男子なのだが、今まで福岡県よりも南に行った事がない。

沖縄に行こうとしたことがあるが、計画をしただけで実際には行っていない。

そんななのに、こないだ俺の乳首が、熊本県に行きやがった。

俺じゃなく、俺の乳首けが、だ。

その事実に気づいたのは、つい一昨日のことだ。

メールをチェックしていたら、何やら知らないフリーメールからの受信で、写真が添付されている。

見てみたら、そこには乳首と一緒に写っているクマモンの姿があった。

両者ともとびっきりの笑顔で、しかピースをしてやがる。

どうやら乳首は間違えて俺のメールアドレス写真を添付してしまったみたいだ。

俺は乳首に対してこう言った。

「あのさ、なんで勝手熊本に行ってんの?いや、別に行くなとは言わないよ?

だってさ、生クマモンを見てみたいしさ。でもさ、ひとこと言ってくれてもよくない?」

乳首は黙ったままだった。

じんわりと、涙を浮かべているようにも見えた。しかし俺は続けた。

「こないださぁ。戦国時代の話で盛り上がったじゃん。イチバン好きな城は、名古屋城でも大阪城でもなく、

加藤清正熊本城がイチバンだって、お互い納得したでしょ?

そんな話までしておいてさ、なんで俺を誘わないわけ?あの会話は何だったの?」

乳首はなおも黙ったままだった。乳首の目もとの水滴がキラリと光った。

後日聞いた話だが、熊本旅行は1泊2日のタイトスケジュールで、なかなかあわただしい日程だったらしい。

どうしてもクマモンが見たくて、夜俺が寝ている間に、こっそりと胸元から抜け出し、深夜バスに乗ったとの事。

俺はそのときはちょうど納期で、起きた時も乳首の外出に気づかず、そのまま会社に向かい仕事忙殺されていた。

その案件はなかなかやっかい案件で、PHPを使ったウェブシステムのあんまり複雑なシステムではなかったが、顧客仕様変更が複数あり、大変なコードになっていた。

最終的には、色々とバグの修正はあったものの、無事に開発は終了して納品ができた。

そして打ち上げはどこにしいようか、とチームメンバーで話していたときに、俺は乳首がいないことに気づいたのである

【続く】

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