2012-04-18

不定形の極限を分かりやすく説明するには?

レスが色々ついて楽しいエントリでした。

基本的には前項の内容に関する指摘・修正等はトラックバックでしていただいた通りです。

少しマイルドな形でトラックバックを利用させていただき、また元の疑問に対して再提示しましょう。

(原文については、同日で検索いただければでてきます。)

代数的な意味での「無限大」、極限で用いる「無限大」、複素関数意味での「無限大」は異なる。

無限大、という言葉は様々な定義、文脈上で発生する一概念であり、ひとまとめに語ることはできない。

・∞ - ∞ ≠ 0、という表現存在する

→ 様々な観点でとらえらることができるが、∞は四則演算可能な数とは考えないのが無難

  四則演算可能とする立場でも、通常の四則演算則は成立しないことが分かっているため、

  高校の間では考えないのが良い。

  高校の間でこの表現に触れるのは微分だけであり、そこなら触れなくても大丈夫

  どうしても触れたい場合は、解析で用いるε-δ論法の軽い解説をするのが良いです。

以上を踏まえて、今回のテーマ不定形の極限について。

不定形の極限について

 不定形の極限という表現のものが(便利ではあるが)危険なので、使用しない。

代数としての無限大と、極限値としての無限大との混同の怖れがあるため。

 (受験期にこれを混同することがそれほど問題とは思えないのですが、とはいえ生徒の今後の混乱を招く可能性もあります。)

 次のような表現、説明とする。

極限値として、"無限大に発散"する関数同士の加法

極限値として、"無限大に発散"する関数同士の除法

極限値として、"無限小の冪乗"の"無限大の冪乗"

 および、"無限大の冪乗"の"無限小の冪乗"

・・・

ここまで書いて、

極限値として、"無限大に発散"する関数同士の加法

がナゼ無限大にならないことがあるかを説明するには、

数列同士の差が完備性を持っていることについて=コーシー数列についての説明をしないといけないことに気付きまして。

うーん、説明に2時間くらいかかりそうですね。

この3つの条件について、「数学が苦手な生徒に」「分かりやすく」説明するプランを何か考えないといけないですね。

・暫定として

極限値として、"無限大に発散"する関数同士の加法

 数列Anと数列Bnの差を取る時、nがある一定以上の値とする。以降、δAn>δBnならば、An-Bnは常にその差分だけ増加していく。

 だから、この場合は、An - Bnは無限大に発散する。

 ずっとδA =δBn ならば、差は0。

 (*:1値の取り方によってはアウト。差分数列がコーシー数列である場合。)

極限値として、"無限大に発散"する関数同士の除法

 数列Anで数列Bnを割る時、nがある一定以上の値とする。その商Cnが無限大に発散するならば、

 An/Bnは無限大に発散する。

 (*:2値の取り方によってはアウト。数列がコーシー数列である場合。)

また暇があったら考えます

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