2011-12-25

「自由」とは何か

この国の人間は「自由」について具体的に教わる機会がないように感じる。

というより、殆ど日本人が「自由」だと思ってることは「勝手」なんじゃないかって思う。


「自由」とは、ある程度の規範や規律、制度の中でのみ行われる行為である

勝手」とは、それを無視して行われる行為である・・・とする。「好き勝手」という言葉にも見て取れるだろう。

しかし、これを勘違いしている人はあまりにも多いように感じる。例えばハックルの人は

上記でも述べましたが、購入した本の使い道は購入者の自由ではありません。まず、読み方からして「自由」ではありません。例えば「あ」という文字があったとしたら、これを「い」や「う」と読んではいけないのです。


佐藤秀峰さんの本やマンガへの考え方について

ブログに綴っている。

しかし、これは日本語の読み方のルールに反しているので、普通これを「自由」とは言わない。


彼は更に

さまざまな価値観を持った人間を許容すると、社会は必ずおかしな方向へ行く。だから、逆の方が良い。そもそも、放っておいても人は、さまざまな価値観を持とうとする。だから、むしろそれを認めないという考え方の方が、バランスが取れるのだ。

社会というものは、異なった考え方を容認してしまうと成り立たない。例えば、無差別殺人を嗜好する人間が現れたとしたら、それを止める手段がなくなるからだ。


教育について

と語っている。

彼は「無差別殺人を嗜好する=行う」自由があると思っているのだろうか・・・と感じる。

そう思っているのなら、それは大きな誤解だ。

殺人は他人の生きる自由を奪う。そもそも、殺人法律というルールで厳しく規制されている。殺人を行う自由は、少なくともほとんどの国において存在しない。

それを認めないことが「自由を奪う」ことだと本気で思っているのなら、それは「自由」に関する大きな勘違いである

そして、社会ルールに反していなければ、どんな価値観だろうが「自由」なのだ。少なくとも、日本ではそれが認められている。

彼は、それを押さえつけようとしているように見える。それは、非常に危険行為であると思う。


少なくとも彼は、社会存在する規範・規律・制度を「自由にさせないため」に存在していると思い込んでいるし、多分そのような人は多い。

だが、社会存在する規範・規律・制度は「勝手にさせないため」に存在し、「それを守ればあとは自由にしていい」ということなのである

自由と勝手を取り違えてはならないし、それで他人の自由を奪うことは到底おかしな話である・・・ということを覚えていてもらえれば幸いである。

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