2011-03-03

呪詛

私は両親が離婚している。

小さい頃は、それはやや特殊ではあるけれど、不幸な事では別にないと思っていた。

あるいは、思おうとしていた。

いずれにせよ日々の暮らしの中で、親の離婚を嫌だと思う事はほとんどなかった。

高校生くらいになって親を色々鬱陶しく感じるようになると、少し事情が変わった。

私は、離婚について親を内心で責めるようになった。

自分精神的な欠点のいくつかは、離婚のせいで出来たのだと思い込んだ。

ヘタレなので表立ってはそんな事は言えず、胸の内に恨みつらみを溜め込んでいた。

そして、その恨みがましい気持はいつの間にか私の一部になってしまった。

今もふとした瞬間に、自分世界を恨んでいる事に気づく。

大学卒業後、しばらく一人暮らしした後で、何人かの家族と同居した

だが同居を始めると、その相手にこの理不尽な恨みをぶつけてしまう。

その前までは特に恨めしいと思わなかった相手なのに。

今は父と同居中だが、先日もまた無意味に父の言動を上げつらい、不快にさせてしまった。

実際の所、自分欠点が親の離婚のせいかどうかなんて分からない。

ただ何でも適当ターゲットのせいにして、思考停止しているだけなんじゃないかと思う。

仮に離婚が私に何らかの影響を与えていたとしても、両親を責めるのは酷だ。

彼らも私をいじめるために別れたのじゃなく、それなりに事情があったのだから

冷静に考えればそれは頭では理解できるが、自分の一部となったこの恨みは消えない。

こんな理不尽な恨みをぶつけられる同居相手には申し訳ないと思う。

これが治るまでは結婚などできないし子供も産めない。

結婚相手はその気になれば私と離婚できるのでまだいいだろうが、子供は本当に駄目だ。

子供にこの理不尽感情をぶつけてしまったら、と思うと恐ろしい

「親が離婚してる人とは結婚しない方が良い」なんて言う人間を昔は軽蔑していた。

けれど、今の自分を見ると、それは当たっているのかもしれないと思う。

他の両親離婚組には本当に申し訳ない。

そんなのはただの偏見だ、と断言してしまたい

私が歪んでいるのは私の問題であって、離婚とは関係ないと言い切りたい

でもそれができない。

あと何年、何十年すれば、私はこの呪詛から逃れられるだろうか。

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