「沿岸漁業」を含む日記

■捕鯨問題を結果論で語ろうか

以下の捕鯨に関するページを読んでおもったこと。

http://www.e-kujira.or.jp/whaletheory/morishita/1/

• 反捕鯨派から見ると、この問題はまぎれなく文化的・感情的な問題であり、当初から国を挙げてイデオロギー戦争を戦っていた。
  • もちろん相手はそう言わない。「理屈なんかない」なんて言えば不利だから、不利になる時には適宜隠す。
    • 想像するに、彼らにとって、クジラを殺して食うな、は、幼ない子供を虐待するのをやめろ、ぐらいな意識なんだろう。そういう文化が育成継承されてるってことね。そういう分化した特殊なイデオロギーが、現代の世界には無いはず・あってはならない、とか思うのは、純粋なバカ。実際には世界を動かしてきたのは、そういうイデオロギーである(天賦人権とか宗教とか民主主義とか資本主義とか)。
    • 上記のページには、「インドの(おそらくヒンズーの)人が牛を食うな」と世界に強制したらおかしいだろ、と書いてあるが、それができる意思と手段を持っていれば、彼らがそれを達成しようとしても別におかしくはない(ヒンズーの教義や方針は詳しくないので、本当にそうするか不明)。対立ポイントにおいては、力関係(軍事力以外を含む)が国際社会の基盤になっているのであって、理性や平和主義だけではないよ。昔も今も。
  • 「戦争」という意味は、正しい正しくないに関係なく、手段を問わずに、1匹たりとも捕獲するのをやめさせれば勝ち、そうでなければ負けだということ。「両方とも不満な妥協点」や着地点などというものは(相手からすると)もともとなかった。
• この戦争の勝敗は、事実上1986年の商業捕鯨モラトリアムで半ば決着がついていた。
  • この第一次敗戦の理由は、当時の日本含む捕鯨国が鯨資源を持続的に管理できず、激減させた、という認識による。もし挽回ができるとしたら、「当時なぜそれができず、現在なぜそれができるか」を言うべきだが、現実は逆を示している。日本の水産業は沿岸漁業の水産資源すら管理できないことで名を馳している。
• 第一次敗戦を敗戦とも認識せず、日本は調査捕鯨を継続していたが、展望は全くない。先方が国家を揚げ世論形成・政治勢力化し世界に活動を広げたのに、日本は国内世論ですら負けつつあるというありさま。
• 第二次敗戦は言うまでもなく、国際司法裁判所の判決である。

かくして水産省は、結果として、今までも、そしてこれからも、痛ましく、国益を損ね続ける。良かれと思って。

それによって生じる日本人に対する悪評と軽侮、憎悪に見合うような、必要性もなく、得るものもなく「こっちの方に理が有る」と唱え続けて。

たしかに理はあるのだろう。そこは否定しない。しかし、それを問う人は(日本以外には滅多に)いない。

利益があるとしたら、最終的に勝てる場合のみだが、その望みはとっくにない。

(読者への練習問題：上記の各ステップを大東亜戦争に対応付けてみよう)

Permalink | 記事への反応(1) | 22:30

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