「ペトロフ」を含む日記 RSS

はてなキーワード: ペトロフとは

2022-10-02

anond:20221002123155

スタニスラフ・ペトロフ核戦争未遂事件があるので、

その例を見てみよう。

1983年ソ連米国から飛来する5発の核ミサイルを検知した。

当直将校だったペトロフは、先制攻撃なら何百発のミサイルが飛んでこないと不自然なので5発の核ミサイルはあり得ない、つまりこれは誤報だと判断して反撃しなかった。

よって増田に回答するパターン1は、自国に飛んでくるミサイル核ミサイルかも知れなくても、壊滅しない範囲ならば迎撃行動をしても全面核反撃は行われない。

パターン2は、何百発ものミサイルを検知したならそれが核ミサイルか分からなくても、先制全面核攻撃だと判断されて、撃たれた国は全面核報復を行う。

2022-03-24

核戦争にならなかった13回の発射未遂

ロシアが核を使うのか?という懸念が再三取り上げられる様になって来ているけれど

これまで人類は13回ほどミスによって核ミサイルを発射する直前まで至っているという報告書があるのを知ってるだろうか?

この報告書は、英国のRIIA(王立問題研究所)によって発表されたものだ。

https://www.chathamhouse.org/sites/default/files/field/field_document/20140428TooCloseforComfortNuclearUseLewisWilliamsPelopidasAghlani.pdf

3章のCasesに詳しく書いてあるけれど、有名なものだと

Black Brant scare

アメリカ研究者によって打ち上げられたオーロラ観測用の科学機器を搭載したロケットの発射軌道モスクワへの攻撃軌道と一致したために、発射命令が出される直前まで行ったという事件

この事件の直接の原因はミスコミュニケーションで、アメリカ側は「観測機器うちあげる」とモスクワに報告を行っていたものの、現場レーダー観測要因にまで話が行っておらず

これを観測したレーダー要員によって警告が発動されて発射準備命令が発動されたというものしかし、他の観測員がギリギリのところで「これはモスクワには来ない」と結論した事で発射は回避された。

この事件を受けてエリツィンは「誰かが我々の早期警戒システム検査をしたのだ」なんて冗談を言っていたが、いくら酔っ払って川に落ちる様なユニーク大統領エリツィンでも冗談では済まされないというもんだ。

1995年 ノルウェーロケットインシデント - ニコニコ動画

Serpukhov-15

これはブラックブラントの恐怖よりも更に酷い理由で起こりかけた核戦争だった。ソビエト連邦アメリカ核ミサイル発射を探知するための衛星群を持っていた。この衛星は発射の際の熱を探知する事が出来る。

この衛星が4発のミサイル発射を探知したけれど、ペトロフ中佐が彼個人判断で核攻撃ではないと判断して寸でのところで攻撃を見送った。

から、発射の熱と思われたもの衛星が雲による太陽光の反射を誤検知したものであることが分かったという。

1983 Soviet nuclear false alarm incident - Wikipedia

Operation Anadyr

この事件ミスコミュニケーションによって起こった。キューバ危機が囁かれていた時に、アメリカ海軍戦艦による機雷投下訓練を行おうとして、この訓練を行っている警告をソビエト海軍に行っていた。

ところが、この警告はキューバ沖に配備されたソビエトの核攻撃可能潜水艦4隻には通信途絶の為に伝わっておらず、自分たち機雷による攻撃を受けいていると判断した司令官によって攻撃命令が出された。

しかし副司令官の説得によって思いとどまったことで事なきを得たというもの

米軍の核管理杜撰

2007年米軍は、誤ったオペレーション核ミサイル6基を36時間にわたって見失ったことがある。謝ってB-52 爆撃機に搭載され整備されないまま、ノースダコタ州からルイジアナ州バークスデール基地へ飛行していた。

仮にこの爆撃機問題が起こった場合アメリカに6発の核が落ちたし、何も知らされてないパイロット問題対応する事は難しかっただろう。

こうしたミスオペレーションアメリカ歴史上「幾度か」起こっているらしい。

雑感

キューバ危機に始まり人類が13回にも渡って核を使用するかもしれない危機を迎えていたというのは、知らなかったものも含めて驚いたし

今回のウクライナ戦争は14回目にカウントされることになるんだろうし、ただの未遂で終わる様に願うしかないが

人類は単純なミスでいつでも滅びうるリスクがあるんだなと恐怖を感じると同時に、核を廃絶することの大事さを改めて感じた。

日本でも核を持つべきという議論が盛り上がりつつあるけれど、このようなリスクを我々は知っておくべきだし、その上で議論をすべかもしれない。

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん