「フィリップ・ロス」を含む日記 RSS

はてなキーワード: フィリップ・ロスとは

2017-10-07

村上春樹ノーベル文学賞を受賞すると思う理由

自分はこれまで村上春樹ノーベル文学賞受賞はないものだろうと考えていた。

なぜなら村上春樹の源流にある英文学作家ほとんどはノーベル文学賞を獲ってないからだ。

J・D・サリンジャーカート・ヴォネガットジョン・アーヴィングリチャード・ブローティガンレイモンド・カーヴァーレイモンド・チャンドラーも獲っていない賞を何故村上春樹が獲れるのか?という話だ。

上記に示したような20世紀後半世代英文学作家ノーベル賞を獲りにくい傾向にある。

おそらくこれはニューレフト以降の人文世界では「脱欧米中心主義」の考えが支配的であり、

文学世界でも例外ではなく、マイノリティポストコロニアル(被植民地)的視点、非欧米的な価値観評価されやすいからだろう。

例えば同じ20世紀文学の新潮流でも、リョサマルケスのようなラテンアメリカ文学作家は獲っているが同世代英米ビートジェネレーション作家(ジャック・ケルアックアレン・ギンズバーグリチャード・ブローティガン等)やポストモダン作家(トマス・ピンチョンドン・デリーロフィリップ・ロス等)は誰一人受賞していない。

まり欧米的な村上は、日本人作家でありながら上記のような英文学系譜として評価されており

それ故に世界中で読まれ、それ故にノーベル賞の受賞は難しいだろうと思っていた。

だが去年のボブ・ディランの受賞で大きく流れが変わった

ボブ・ディランの受賞理由歌手としてではなくビートジェネレーション代表した文学としての評価

まるでこれまで無視してきた英文学作家特定世代をあわてて補填するかのような受賞である

僕はこのボブディランの受賞で数年以内に村上春樹が獲るのではと予想した。

もしボブ・ディランジャック・ケルアックアレン・ギンズバーグリチャード・ブローティガンといった受賞しなかったビートニク作家補填するものだとしたら

サリンジャーヴォネガットといった受賞しなかった英文学作家達を補填するのに一番ちょうどいい作家村上春樹からだ(もしくはジョン・アーヴィング?)

そして今年のカズオ・イシグロの受賞である

これは結構驚いた。イシグロが受賞するにしてもまずは村上春樹が先に受賞するだろうと思っていたからだ。

この受賞で同じ日本(日系)人の受賞で不利になるのではいう声は多い。

自分はむしろこれで村上春樹の受賞が近くなったのではと思う。

カズオ・イシグロ村上春樹共通点は多い。

英文学系譜であり、良く言えば世界的な人気作家だが、悪く言えばマスであり通俗的作家である

これらの共通点はこれまでの村上春樹が受賞しないと思われていた理由であった。

しかし今回のカズオ・イシグロの受賞はそれが全て覆った。

密室での選考であるためあくまで推測にすぎない。

なぜ村上ではなくイシグロなのかもわからない。

個人的な推測だと村上の過剰な性描写がセクシズムを理由に外された?)

はいえ無根拠に騒いでいたこれまでよりかは村上春樹が受賞に近くなったといえるだろう。

カズオ・イシグロが受賞する文学賞選考過程村上春樹名前が上がらないはずがない。

このボブディランからカズオ・イシグロという流れは驚いた人も多いと思う。

ノーベル文学賞を含めた学術的な場での世界文学評価が大きなパラダイムシフトを迎えてるのは間違いない。

そしてこの傾向は村上春樹の受賞に極めて有利な状況だろう。

というか長々と話したが簡単なことだ。

J・D・サリンジャーカート・ヴォネガットジョン・アーヴィングリチャード・ブローティガンレイモンド・カーヴァーレイモンド・チャンドラーも獲っていない賞を村上春樹が獲ることはありえないが

ボブ・ディランカズオ・イシグロが受賞した賞なら村上春樹が受賞する可能性は十分にありえるということだ。

追記

https://anond.hatelabo.jp/20171006224419

上記を受けての記事です。

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん