男女の貞操観念が逆になった世界。要するに多くの女性が性的なことにオープンで、多くの男性が奥手という状況の世界。
ここに何らかの理由で通常世界の人間が移動するというジャンルが、数年前にエロ漫画で発生、その後、ノクターンノベルスなどWeb上のエロ小説投稿界隈で長く生き延びている。
まず、男女の貞操観念が単に逆転したにとどまらない、不自然な世界観と化した。
一般的な男性は極めて性欲が弱く、絶対に性的なことはしたくない、女性に生理的に嫌悪感を持っているくらいの設定が付与されるのが、基本的になった。
単純に男女の貞操が逆転したというのなら、これが通常世界の女性の在り方ということになるが、さすがにそこまではいかない。
一方で女性の方は性的な行為ができることに喜び、積極的になるというだけで、その他の観念(恥じらいとか)はわりとそのまま持っている。これも逆転していない。
次に、生物的な変化。
男性は月に一回しか射精できないとか、射精量が少ないとか、体力がないみたいな設定が次々に付加されて、通常世界から来た主人公のアドバンテージをこれでもかと上げる作品がほとんどとなった。
女性の方も、射精されたら絶対に妊娠するとか、男性に嫌悪感を抱かれる女性とそうでない女性がいるとか、通常世界とは異なる生物的設定を付与されるパターンが少なからずある。
そして最後に、男女比。
上記の2点と相互に関係はしているのだが、現在主流で投稿される貞操逆転世界ものでは、男女比が異様に偏っていることが、もうほぼ常識のように設定されている。
男性が異常に少なく、女性の5分の1とか、10分の1とか、100分の1といったところまで行く。