2022-03-07

世界はわりと真っ赤っ赤

先日の国連総会ロシア非難する決議が採択された。

皆さんもご存知の通り結果は以下の通り。

  • 賛成: 141か国 (77.9%)
  • 棄権: 35か国 (19.3%)
  • 反対: 5か国 (2.8%)

棄権消極的反対と考えたとしても、圧倒的多数が賛成し、ロシア非難していることは間違いないように見える。

しかし次の観点で見ると「そうでもないかもしれない」という疑念が湧いてくる。

人口 (単位: 億人)

棄権を行った国の中に中国インドが含まれることから容易に想像がつくと思うが、反対と棄権を行った国の人口は、世界人口過半数を優に超える。

  • 賛成: 約35.4 (46.1%)
  • 棄権: 約39.3 (51.2%)
  • 反対: 約2.0 (2.6%)

(((2019年データを基に算出。"賛成" = "総計"-"棄権"-"反対"で計算。))

面積 (単位: 億Km^2)

まずもって、ロシアが大きい。世界最大の面積は伊達ではなく、反対側のほとんどを1か国で占める。

棄権した国では中国インドカザフスタンアルジェリアが大きい。

  • 賛成: 約0.80 (59.7%)
  • 棄権: 約0.35 (27.0%)
  • 反対: 約0.18 (13.3%)

(("賛成" = "総計"-"棄権"-"反対"で計算。))

GDP (単位: 1兆USD)

アメリカ日本をはじめとする"先進国"が決議に賛成しているため、上記の二つ比べ賛成側の比率が大きい。

棄権した国の中で主要な部分を占めるのは中国インドイランだ。

  • 賛成: 約62.7 (73.8%)
  • 棄権: 約20.7 (24.3%)
  • 反対: 約1.5 (1.8%)

((2020年のデータを基に算出。"賛成" = "総計"-"棄権"-"反対"で計算シリア北朝鮮キューバデータなし))

最近テレビネット上の言論からは、

ロシアは今後の情勢に関わらず、世界から非難制裁によって自滅してゆくだろう。

核を使われると困るが、そうでなければこの件は終わりに近づいている。

ウクライナ可哀想だったね。」

とでも言うような空気を感じる。

しかし、本当にそうなのだろうか?

ここに示したどの統計を取っても、賛成した国の占めるの割合非難決議の賛成国の割合の77.9%に及ばない。

消極的ものを含めるとは言え、半分から四分の一がロシア側と考えると、まだまだ決着はつかないような気がしてこないだろうか?

単なる世界の国々の統計とその足し算なんてなんの意味もない。そういう意見もあるだろう。

かに、最も当事者たるロシアウクライナ自体には全く着目していない議論だ。

さらに、中国インド比重が大きすぎるといえるほど大きく、この2か国の次第で結論はまるきり反対となりうる。

ウクライナ国民の強い抵抗ロシア国内の反対派、ロシアルーブルの下落、多国籍企業撤退ロシア軍の補給問題etc...

そういったニュースを見ていると、ロシアの行動ももう長くは持たないように思われるし、そうあってほしいと願っている。

それでも私のぺシミスティックの心は怖い怖いと叫ぶのだ。

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