2021-07-15

なぜ今の最低賃金引き上げが批判されるのか

28円の賃上げになった。全国平均902円から930円になって、約3%の上昇だ。

とはいえ最低賃金パートをしている人はもともと103万円や106万円を超えないように調整してたはずだから勤務時間が3%減るだけだろう。

うっかり103万円を超えると10万円以上の税金を取られて3%どころではない損をする。106万円を超えると社会保険料を取られて10%ほど減る。

そういう人にとって最低賃金引き上げが懐に響くことはないだろう。休みがほんの少し増えるだけだ。

最低賃金で働いて生計を立てている人や学生バイトではどうだろう。まあ上がる分にはうれしいだろうが、28円だ。1ヶ月に50時間働いてたとすると額面で1400円増える。

 

ここまでは普通計算だ。毎年同じ計算が使える。

最低賃金はたしかに上がったが、じゃあいバイトできるところはどれだけあるのか。

コロナ禍でパートバイトが激減したこと体感としてあるだろう。体感としてなくても、バイト需要が大きい飲食店営業時間の短縮やらで人手が必要な状況ではない。

単発のバイトとしてはライブの警備だとかもあったが、今はそういう仕事のものほとんどない。ライブがないからね。

そこへ最低賃金まで上がればますますバイトを雇う理由はないだろう。

1ヶ月1400円とかその程度の恩恵より働く先がまず欲しい、というのが生活に困っている人の本音だろうが、最低賃金の引き上げは少しとはいえ働く先を減らしてしまう。

 

じゃあいま働けている人にとってはどうか。

1ヶ月160時間フルで働いていたら4480円増える計算になる。1ヶ月で額面14万8800円だ。

しかし増えた4480円から税金社会保険料が取られるので手取りは4480円から減る。また、何かを買えば消費税10%が取られる。

当然思うことは「じゃあ税金社会保険料を減らせ」だろう。

まずどれだけ取られているのか計算してみよう。

額面14万8800円から所得税の5%と住民税10%が引かれるので、天引きされる税金は22320円になる。税引き後で12万6480円になるが、ここからさら社会保険料も取られる。地域にもよるが東京都だと6000〜7000円くらいだ。だいたい手取り12万円ちょうどとなる。

その12万円で何かを買うにしても、消費税10%あるので11万円にやや足りないぶんしか買えない。

まとめると、額面14万8800円の給料から天引きされる所得税住民税が22320円、社会保険料で約6500円、消費税10910円で、合計-39730円だ。

最低賃金930円は全国平均だが、それより高いであろう東京都社会保険料を使っているという雑さはある。しか最低賃金28円上がっても4480円(税引き前)しか増えていないのと比べると、税金社会保険料はおよそ10倍のインパクトがあるとは言える。

 

「じゃあ税金社会保険料を減らせ」というのは数字で見ても正しい。

そして今回の最低賃金引き上げは政府主導だ。政府が本当に生活に困ってる人をなんとかしようと思っているのなら、やるべきことは減税だろう。あるいは少しでも働く先が増えるような施策をしてくれという話もあるだろう。

批判している人たちはこのことを言っている。

政府のやってるふりを許せないとか、政治的な話も紛れ込んではいるが、実際やってるふりに近いんだから真っ当な批判だろう。リーマンショックなみの不景気が来たら消費税を減らすと言っていたが、それを超えるコロナ禍の今でも消費税を下げるつもりはまったくないようだし。

 

仕事を探している人にとってはただでさえ減っている働く先がさらに減る、いま働いている人にとっては税金社会保険料にかき消される程度の恩恵しかない、雇用主(会社)にとっても別に歓迎すべきことではない。

これが今回の最低賃金引き上げの意味だ。

  • ぶっちゃけ最低賃金の賃上げでダメージ食らうような雇用者は放っておいても3か月で倒産するうんこショップがほとんどなので倒産していただいて結構である 毎年最低賃金が上がってる...

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