ちゃんとした会社で働いていて、みんなから愛されているまっとうな人間だ。
才能もあって、ユーモアのセンスもあって、クリエイティブのセンスもある。
対する私は、暴力をふるって家の中をめちゃくちゃにする父親と、
まったく構ってくれない母親との間で18まで過ごし、
家を出た途端に摂食障害と鬱と発達障害でまともな生活が送れなくなり、
病院に通ったり借金を作ったりバイトをしながらなんとか生きてきたような、
何の才能も無い。
何の努力もしていない。
何も持たない人間だ。
もうすぐ40になる。
そんな私がうっかり契約した仕事で、身分違いな恋人と知り合い、付き合うことになった。
だが、こんなのは間違っていると思う。
素直に愛情を受けて才能と努力の結果今を生きている恋人と、真逆に生きている私が、まともに関係を築けるわけが無い。
羨ましい。
「私なんて生まれてこなければ良かった」
って24時間365日40年間思い続けることの無い人生を送りたかった。
こんなんだから、いつか私と彼は別れるだろう。
間違ってしまった。
私と彼は出会うべきではなかった。
私だって、今から人生を生き直せるならば、人間を作り変えられるならば、
彼にふさわしい人間になりたい。
ただただ、毎日、いつか訪れる別れの日々のことを考えて、
眠り、起き、泣くだけだ。
ある日私は、誰からも愛されたことが無いならば、
かわりにうんと誰かを愛そうと思い立ったことがある。
それから、思いっきり、全力で、何もかも忘れ、彼のことをただ一方的に愛してきた。
だけど、ある日、ふと気づいてしまった。
やはり私のような人間には、どうやったって他人を愛することなんか出来ないのでは無いかと。
私が彼に向けている愛は、ただの自己満足な身勝手な欲望であって、
愛などでは無いのではと。
自己満足を気にするなら自分の心情ばかりでなく相手を見ろよ 相手の気持ちに全く言及してないし
愛は人を変える。オレはそう信じている。
メス豚はいいなあ