2015-11-14

京速コンピューター (続き)

いくつかのコメントを読んで、ひょっとしたらスパコンについて

誤解されている方がいるのではないかと思ったのでちょっと書き足しておきます

一般的スパコンは、ネットを通して sshログインして使います

そこでコンパイルしてジョブを流します。

ものすごい高性能なサーバ―と思って頂ければイメージが伝わると思います

常に多数の人が日本中からアクセスして使っています

京が東大にあろうと、国立天文台にあろうと、どこにあろうとも利用者的にとっては何もかわりません。

コンピュータを小さく分割して各地においたらいいでしょ?

うーんこの手のコメントをよく見るのですが、何を思ってそうおっしゃっているのか意図を掴めずにいます。僕には

「なんでGoogleサーバ―を各家庭におかないの?」

といった質問に聞こえます。なぜ各家庭に置きたいのだろう?

仮に京コンピュータを分割して各地に置いたとします。

そうしたらまず、大規模計算の人が使えなくなりますね・・。ノード数を分割するのは計算を速くする意味もありますが、

そもそもデータ量が多すぎて1ノードに載らない、という分野もあります。大きな計算をしている人から死ぬでしょう。

全部繋げて並列計算しようとしても、スパコンを使うような計算ノード間の転送ボトルネックなので、遠く離されちゃうとそれも無理です。

それから素人目線にもスパコン管理にはそれが1カ所に固まっていた方がやりやすいように思います

各地にSEさん派遣して管理者を雇うとその分人件費がかかりませんか?

デメリットは思いつきますメリットがわかりません。

べつに分割したからといって京の開発費が安くなるわけでもないですし・・。

京を潰してたくさんスパコンを買って、弱小の研究者に使わせるべき


別にコンピュータが他の研究者を圧迫しているわけではありません。むしろ逆です。

もし仮に、京が突然なくなったら、現在コンピュータを使っている人たちが他のスパコンを使い始めるでしょう。

そうしたら僕のような末端の使えるスパコンはなくなってしまうかもしれません。

各分野のリーダーたちは10年計画で計算資源スパコン)を準備しています

宇宙計算資源宇宙リーダーが、素粒子計算資源素粒子リーダーが、一般企業政府

計算資源計画的管理調達しているわけです。

京速も当然その計画の中に含まれているので、突然なくなると困ったことになります

コンピュータを誰にでもつかわせてあげるべき!

そんなことをしたら混雑しすぎて何も出来なくなります。具体的に言うと

『5ヶ月前に流した俺のジョブ! まだ流れないんだけどーーーーー!!!!??? おいいいーーー!!」

みたいなことになりますスパコン一年間に使える計算量は決まっていて、

そこから逆算して使える人数、プロジェクトが決まっているわけです。

また課題審査するのは京速だけではなく、多くのスパコン一般的にやっていることです。

スパコン国民税金運営されているので大切に使っているという事です。いいかげんな研究は出来ません。

(たぶんいいかげんな使い方をしたら同業者に殺されると思う)


僕の書いた文章ますます誤解を増やしているみたいで申し訳ないです・・

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん