基本負けず嫌いなので、自分でなんでも手を出していくスタイルで仕事をしてきた。口も出すし、手も動かす。年齢とか経験の差には怖気づかず、言いたいことを主張してきた。だからこそ、「あいつ若造のくせに何言ってるんだ」とか言われないように、時間を見つけて勉強して、知識を身につけ、それをもとに結果を出す。
仕事が面白かった。結果を出せば、もっと面白い仕事をもらえる。とても大きなプロジェクトに呼んでもらえて、責任を持たせてもらえて。
そうこうしているうちに、偉い人に顔と名前を覚えてもらった。仕事を直接頼まれるようになった。そしたらもっと面白くなった。サービス残業とか苦にならなかった(ある程度の残業つけていたけど)。100人以上いる同期の中でも一番早く上の階級に昇格してもらえた。
この春、病気になった。数日の間に手足が殆ど動かなくなり、目はに見えるものは全てが二重に見えるようになった。握力は両手とも1,2キロまで低下し、立ち上がることが出来なくなった。このまま死ぬのかなと一人恐怖に震えた。今思い出してもあの時の絶望感といったらない。
会社の人に病院まで運んでもらって、そのまま入院。病院のベッドに横になりながら、仕事がなくなったら何もやること無かったんだなぁと思い知らされた。
運良く予後の比較的良い病気で、丸3ヶ月たった現在、まだまだ無理は効かないけれど、かなり体の調子は戻ってきている。結構重い後遺症が残る方も2,3割いらっしゃるようだけど、多分このままだと後遺症も残らないだろうと予感できる。
こないだ、久々に会社に顔をだした。急に長期に休んでしまったし、何より一人で結構仕事を握っていたので少し心配だったのだ。でも仕事は複数の人に薄く割り振られ、何も問題なく回っているように見えた。ホッとした。そして、少し残念だった。
同僚の皆が声をかけてくれる。「ゆっくり休め」、「完全に治さないとね」、「復帰待ってるよ」。ありがたい。本心からそう思ってる。そして、仮に復帰しても、もう前みたいにきついけど面白い仕事もしばらくは降ってこないだろうなぁと理解した(面白い仕事は大概キツイ)。
仕事を引き継いだ後輩がとても生き生きしていてびっくりした。ああ、僕が面白い仕事を独り占めしていたのかもしれないなとやっとわかった。自分一人が目立ちたかったわけでも、偉くなりたかった訳でも決して無い。でも、なんだか今まで頑張って進んできた道の先が、いきなり崖になっていて、「あれ、これどうやって渡るの?」と戸惑っている。渡らなくて良いのかもしれないが。
仕事ばっかしてたから、私生活なんて空っぽ同然だし。唯一の趣味だったバイクは、目のせいで危なくて乗れたもんじゃないし。
人生の中で仕事に対してハイレバレッジかけてきたんだから、まぁ妥当な結果か。まだまだ考える時間だけはあるので、今後の生活の仕方はもっと上手くリスク分散できるようにしないといけないのかな。
あんたが居ることが職場のリスクでしか無いんだから 休んであげるのが世の中にとって一番良いってことですよ~