2013-04-10

新大久保反韓デモで兄と遭遇した

耳を塞ぎたくなるようなヘイトスピーチを撒き散らかしていた。

から人一倍気が弱く、自分に自信がなくて人付き合いも少なく、趣味はといえばアニメDVDニコニコ動画を何時間も観るくらいしかない兄だった。

別にどんな趣味でもその人の勝手だが)

それでもとても優しく、東日本大震災とき被災地の惨状と亡くなった人の数を聞いてボロボロ泣きだしたと思いきや、

手取り15万の安月給なのに翌日には口座から10おろし被災地募金したりするような人である

どうだこんなに優しい兄貴はそうそういないぞ、と言いふらしたいくらい好きな兄だ。

まあ昔からとあるごとに俺に言い負かされてきたせいで、俺に逆らえない(というか俺に追従してしまう)性格になってしまったのだが。

一方、どうして俺が新大久保にいたのかというと、実はこの反韓デモへのカウンター目的だった。

(といってもしばき隊のような特定の団体に紛れたわけではなく、個人で行動していただけ)

デモに向かって「不当な差別はやめろ!」とか「レイシストから卒業しろ!」とか

「お前らに罪のない人を脅かす権利があるのか!」とかそんなことを叫んでいた気がする。

兄貴と目が合った時、お互いの動きが凍った。あの瞬間、誰がなんと言おうと世界の時は止まっていた。

その時は無言のまま二人はすれ違って、その後、帰宅して即電話電話のむこうで兄貴ボロボロ泣いた。

俺は兄貴を追求すべきか、説得すべきか、悩んでいたれど多少混乱していたこともあって頭を整理できず、ただひとつ

「あんた、『デモ邪魔する在日は消えろ』って叫んでたけれど、あんたと血の繋がっている俺もデモ邪魔たから、あんたの憎む在日なのか?」

と詰問すると兄貴は当たり前だが「違う、違う」と泣きながら答えた。俺はその後「別に自分在日でもどうでもいいことだけど」と続けた。

こんな話をしたいんじゃないんだよな……と思いつつ、今週末秋葉原で待ち合わせをすることにした。二人きりで対面しての会話は三年ぶりである

あんなに優しく正義感の強かった兄がなぜ、あんなに邪悪言葉を吐き散らかすようなことをしていたのかわからない。

理由は今度尋ねてこようと思うが、どういうふうに接すれば正直わからない。

俺がもうあんなことやめろといえば兄のことだから確実にやめるだろうけれど、それは根本的な解決になっていないような気がする。

一方の俺も、兄貴がどんな風に自分のやっていることの正当性を主張しようとしても、それを聞いて考え方を曲げる気はさらさらない。

まあ正直、ショックはでかかった。兄の経緯や考え方に何が起こったのかを知りたいような知りたくないような微妙な気持ちだ。

自分約束をこぎつけておきながら、週末が訪れるのがすごく怖いのであるオチはない。

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