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はてなキーワード: 戦後とは

2024-05-28

明治時代、官家や武家にはハーフ風貌養子なども多くおり、いずれにせよ日本人も米英人や上司官僚から被害を受けることがあった

ただ、腕づくで東洋小童蹂躙しているなどと噂された日には、加害側の立場が危うくなるのは当然である

そこで彼らは小童たちに剣道柔道を習わせ、ムキムキ感をつけさせるとともに排除主義(段級制)を普及させた

大日本武徳会の始まりである

戦後司法制度にはその名残りが見られる

何でパーティー券まで禁止なの?

これを、わりと政治ネタに反応している方まで言っているを目につくのだけれど、どうしてかと思えば、原因となった問題からもう35年とかたってるからなんだな。

上の世代は知ってるから当たり前だと思ってるけど、下の世代規制しかしらないから、当時何があったか知らないんだとわかった。

悪い奴:ロッキード社と田中角栄

ロッキードと言うアメリカ飛行機屋が、新作飛行機が売れなかったからと言って各国の政治家に金を賄賂をばらまき買わせたと言う事件

収賄で当時の首相田中角栄ほか大物政治家がごそっと逮捕される。

悪い奴:リクルート竹下登安倍晋太郎

当時は不動産などもやっていたリクルート不動産開発で目を付けた土地規制解除等を目的として多数の政治家に未公開株を配った事件

戦後汚職事件で最大の逮捕者を出す事態になった。

悪い奴:佐川急便と金丸信

当時は暴力団公然経済活動を行う組織の一つであった東京佐川急便と大物政治家共存関係にあった事件

金丸信東京佐川急便を通じて今で言う反社会的組織コマとして動かしていた一方で、政治献金も受け取っており、最終的に内閣総辞職に追い込まれた。

それでどうなったか

政治家個人企業献金等を通じて近くなりすぎ、共依存関係になると問題が大きいとして、企業政治献金が勤仕されるという経緯がある。

一度政党政治資金管理団体が受けろという事になったわけだ。これはそれなりに効果があって、ここまでエグい、企業献金が関わる汚職事件はその後しばらくは起きていなかった。

ただ、それがパーティー券という形で迂回される事態になっており、それがエスカレートした挙げ句裏金として流通していたというのが今回の話で、

政治資金規正をしたら汚職が大きく減ったのだが、その迂回方法があって規制に穴が開いていたのでまた問題が発生した、と言う事で、このような規制逃れは辞めるべきだ、という話になっていると言うのが今の話。


ちなみに、政治資金の質は、特に大企業コンプライアンス遵守のため大きく様変わりしている。

大抵の大手企業は、主な政党全てに、法律で許容される限度額を目安に均等に政治献金を行っていて、それは多くは「社会貢献である」と答えている。

こう言う横並びの状況の中で、パーティー券の購入は数少ない政治家個人アプローチできる手段になっている面があって、企業は頼まれたら断れない場合も多いと思われ、

献金している大手企業は冷めた目で見て、さっさと規制してくれた法が面倒がないと思っている。故に、政治家側が資金源がたたれるため、ジタバタしている面がある模様だ。

ユダヤ人についてどう考えるのか? 彼らが殲滅させられるのを座して見守るつもりなのか? もしそうでないと言うのであれば戦争に頼ることなしにどうやって彼らを救うつもりなのか?」。

西洋平和主義からこの質問に対する誠実な回答を聞いたことは一度もないと私は言わざるを得ない。

あなたもその一人ではないか」といったはぐらかしの言葉であればおおいに聞いたのだが。

しかガンジーがこれにいくぶん類した質問をされたときには回答を聞くことができた。

それは一九三八年のことで彼の回答はルイス・フィッシャー氏のガンジースターリンに記録されている。

フィッシャー氏によればガンジーの考えはこうだった。

ユダヤ人集団自決をするべきである

それによって「世界ドイツの人々はヒトラー暴力から目を覚ますだろう」。

戦後、彼は弁明をおこなった。

ユダヤ人はいずれにしても殺されるのだからそれならば意義深く死んだ方がよかったのではないか、と。

例えフィッシャー氏のような彼の熱心な賛同者であろうとこの態度には驚愕したのではないかという印象を受けるが、ガンジーはたんに誠実であっただけなのだ

もし人の命を奪う覚悟が無いのであれば他の形で失われる人々の命について覚悟しなければならないということはしばしば起きる。

一九四二年、彼は日本人侵略者に対する非暴力的な抵抗を呼びかけた。

彼にはそれによって引き起こされる数百万の人々の死を容認する用意ができていたのだ。

ガンジーを顧みて ジョージ・オーウェル

https://open-shelf.appspot.com/ReflectionsOnGandhi/chapter1.html

anond:20240528083313

生活は満足そうだが

ニッポンは子沢山の家族の減少による高齢化社会なの~

あの、あの、戦後の頃より大金持ちなんでしょ?

なんでみんな子供産まない…

眠れないんだボクは

2024-05-27

anond:20240527032949

勝てないと分かっていながらアメリカ戦争突っ込み原爆投下日本国滅亡の危機に陥ったのは男性の失態であり、男性主義の失墜であった

戦後日本経済人口復興させたのは生き残った女性たちのエネルギーが源である

にも関わらず、女性を上から評価する金玉厚顔無恥ぶりには反吐が出る

過去30年、政治主権を握りながら衰退させ続ける性別自覚しない頭だからこそ、今の国の現状があると様々思う

2024-05-26

anond:20240526104637

戦争経験者ってほとんどがもう死んでるよ

生きてるのは戦後まれ

戦中生まれであっても子供

2024-05-25

なんで地方って自民党支持率高いんだ?一極集中で衰退させられてるのに。頭悪いの?

北区に住んでる都民だけど

なんで地方って自¥民¥党の支持率高いんだ?


自¥民¥党って戦後一極集中させてきて地方から都会に集めてきたじゃん


農業公共事業がっていっても

地方でも農林水産業公共事業以外で生活してる人の方が多いでしょ

(一番多い北海道でも全労働者の1割くらい)

しか小泉さんとかのときからそういった農林水産業公共事業地方への配分も減ったって聞いてるのに


大学進学率とかを見るに頭悪いの?

2024-05-23

登記簿の閲覧

死んだ親父がうちは資産家だったか地元いくらでも土地があると言ってた

親父の納骨するため先祖代々の墓のあるその土地へ行った

本当に土地があるのか確認するため法務局出張所の出先みたいな所に寄った

戦後農地解放だとかで区画が細かく分割されていて狭い区画を調べるだけで

20枚以上も申請書が必要になり、面倒くさいなって家族で言ってたら

係の人が「とりあえず、1ページ分3枚申請してみませんか?」と言われてそうした

申請が通り、所有者と住所と区画が書かれた古文書みたいなのを渡された

係員からは「他の所は絶対見ないで下さい。絶対ですよ」と言われた

「押すなよ、絶対押すなよってこと?」って笑ってたら、係員もよそ見て笑ってた

結局、申請書3枚で一通り目を通したけど、うちの土地なんて1平米たりとなかった

2008年頃のまだ電子化されていないのどか時代の話

anond:20240521120902

老人ホーム年代別に分けるべきじゃね?っていつも思う

戦中派と戦後派は話が合わんよ

CIA甲斐政次郎

私は甲斐と聞いたら熊本CIAだと思いますけどね

熊本には硫黄鉱山があり弾薬原料が取れ、赤十字社支部博愛社が初めて開設された場所で、甲斐姓が多い

熊本から米国移民が大変多く、甲斐移民の子孫に米軍勤務の人が多い(私も親戚にいる)

ロサンゼルス実業家甲斐政次郎も上益城郡甲佐町出身移民であり、甲佐町は戦中、急進的な国奉仕精神活動をしていた

熊本逓信局は戦後、GHQの郵便物検閲事業を所管していた

そして今の日本では、法学部国交省甲斐が多い

まり有事防衛活動には土地接収などが必要なので、CIAはなるべく甲斐の身内で固めようとしていると思う

2024-05-22

そもそもスポーツとはなんぞや

スポーツアメリカ英語: sportsイギリス英語: sport)は、一定ルールに則って技術の優劣を競う活動競技)の総称である



日本では大正時代末ころからスポーツ」という言葉一般化されたが、当時は欧米から入ってきた運動のものだけを指していた。日本でも「スポーツ」が競技意味するようになったり、柔道空手などの武道競技として発展し「スポーツ」として認知されるようになったりしたのは戦後のことである




要は本来意味とは違う区分で持ってこられちゃった単語からこうして揉めるのか

2024-05-21

anond:20240521231854

寅子自身人生晩年までしっかりやりそうだけど、

「梅子の姑」のキャストが発表されたので、つまり梅子が再登場確実、って事は他の脱落した学友2人も再登場確実だし

その辺も考えた尺の配分かと

朝鮮から留学生戦後を描くとするとかなりセンシティブになるけどNHKそこまでやるのかってのが気になる

ちむどんどん基地問題全く描かなかった癖に

「割」っていつから使うようになったんだろう。

あれね。打率とかの割合単位のことね。

ちょっと調べたら、これは「歩合」の単位とされていて、その方面で調べれば過去使用例がわかるらしい。小学生教育方面だと「最初借金の利率で使われた」って説明があったけど、その初出までは書かれてなかった。まあ小学生がそこまで興味持たないだろうからしょうがいか

正直、興味を持ったのは「分」との歴史的前後関係なのだ勘違いしがちだが、「1割1分」の時の「1分」は1%で0.01だが、「五分五分」のときの「五分」は50%でこれはつまり0.5,つまりこの場合の1分は0.1になる。数字の扱いが違うだろうと思ったかもしれないが、「割」はもともと十分率の単位で、十分率を単位とすればその1分は0.1で正しいのだ(このへんはWikipediaにも書いてある)。これを無理やり百分率で例えると、1.1%を「1%1分」と書くようなものだ(実際には今はこういう書き方はしない、例示として書いた)。

とはいえ借金の利率なら最初から「分」で表してもそれほど困るような気がしない。実際前述にもあるようにことわざでは「割」使う場面少ないしね。「割」だけが先に使われていて、その大雑把な率が使いにくくなったから分をあとから付け足したのか、まえは「分」で示していたのが何らかの都合(借金特別扱いしたいとか)で「割」を使うようになってそっちが当たり前になったのか、たぶんどっちかなのだ

税率を割合で示すようなことは租庸調の時代からやってたみたいだから、たぶん文献は豊富にあるはずなんだが、こんな簡単なことがネット検索でわからない。調べるキーワードが足りないだけかもしれないけれど。

 


(追記: ついでにまとめ)

みなさん反応ありがとうございます結果的人力検索になってしまいましたが、もともとこれはそれを目的として投稿したものじゃなくて、自分が「ここまで調べた」のまとめとして書いたものでした。いずれ調べが捗って本当に感謝しています

とりあえず、

ようで、「割」だけが先に使われていて、その大雑把な率が使いにくくなったから分をあとから付け足した、の予想がそこそこ近かったようだ。

 

調べているうちに出てきた新たな疑問としては、

あたり。このへんは今回の疑問から少し外れるので、まあそのうち。

 


ひとつ追記

リファレンス使えば」。これね、時々思う。実際使ったこともある。とある地名表記ブレを、行政機関があまり一般的じゃない方統一した、って時に、それが単なる自治体PR(統一したほうにはそのPR要素があった)なのか、それともまあそうするだけの根拠があったのか、疑問に思って、「その地名の2つの表記古文書での使用頻度」を調べてもらった。ちなみに結果としては30件くらい見つけてもらって、見事に半々っぽい結果だったのでまあ納得することになった。

今回は今回で調べてもらってもいいのだけど、前に頼んだ図書館にはおそらくこれ関連の古文書少ないのよ。そうすると一般書籍記述のあるもの探してもらうことになる。それだったらネットで同じような疑問を持ってそれ調べた人の成果を探したほうが早いの。リファレンス使うとその図書館調査には2,3週間かかることもあるのね。だったら自分で調べてたどり着けなくなってから頼んだほうがいいと思った。そうね、「分」の1/4 1/10 1/60問題についてはそのうち聞くかもしれない。

五鬼上堅磐

   1971年3月7日 に死去した戦後裁判官。 子供がみると ごきじょうけんばん と読まれる点では、 菅義偉が、 かんぎりつと呼ばれているのと同じである

      昭和46年3月7日に死去したので、散々盛り上がった人なので、誰も指摘する人がいない。

    昭和48年に延岡西高校に入った晴生が、抑圧されていた当時の裁判官

    メゾンときわ台は、  めぞんときわとは違う。  前野町1丁目の、めぞんときわは、ままが住んでいるはずで、  ごきじょうかきわ、は、戦後裁判官

    メゾンときわ台は、アパートで、作って使うもので、  お前がいるところは、さいたま戸田市川岸1-4-20の ベランダ側14階  

     ファインレジデンス戸田公園の2階。

       裁判官の品田幸男は、技術がないから、決定理由で、複数回、  ものであった、などの表現を使うが、 ものではなく、そのもの構成する技術の方が大事である

2024-05-20

anond:20240520110946

戦後のつらさ、貧しさ、苦しさがやっぱりどこか残ってんじゃねえの

あとはやはり叶わぬ恋は昔からみんな大好きだし

2024-05-19

anond:20240519165902

👴「戦時中戦争批判国策非協力して迫害され戦後補償を求めるようなもんじゃろ」

👵「ああ、気の毒じゃが何もしてもらえないひとのことじゃの」

2024-05-18

anond:20240518115307

ロシア派兵できている数とウクライナが動員できている数にそう大きな差は無いわけで、「兵士が足りない」というよりは経済力問題だよね。

どこかの金持ち国家が「費用も出すし、戦後職業訓練して雇用してやるから兵士を100万人増やしていい」と言ったら、あっさり解決する気はする。

まあ、言わんけど。

anond:20240517223047

以下ネタバレだが



モデル人生の通りに進むなら、今後は寅子は両親も夫も兄(モデルは一番上の弟)も戦争で亡くす

んで戦後子供を抱えて食っていく為に裁判官を目指す

兄嫁は元々寅子の親友という設定だが、同じく夫と死に別れて子供を抱える彼女

家族として協力しながら生きていくんだろう

恐らく兄嫁に自分の子供を託児する代わりに経済的な援助をする構図になる

(だとすると上手い設定だなあと思う、「子供いたら働けねーだろ問題」を円満解決してる

ただ一方的家族に託児したり下層の女性女中として雇ったり、だと嫌らしくなるし)

寅子の弟が、モデル戦争時点で大人になっているがドラマだと歳が離れていてまだ学生設定なのも

寅子が兄嫁以外の家族に頼れない状況を作る為だろう

しろ弟が大学やめて働くと言うのを止めて学費援助する、といった話になりそうだ

という予想通りに進むとすると、つまり寅子は

家事育児家族内の女に頼る代わりに稼いで家族を養う」という「男」の役割を担う事になる

恐らくそういった「男」としての苦労も描かれるだろう

兄嫁に対してもあなたいるからこそ働ける、と言う事を強調しそうだ

それで、親友活躍しているのに自分は何者でもないという兄嫁(や世の「平凡な」既婚女性たち)の鬱屈を和らげようとするんじゃないか

このドラマ、これまでも史実をうまく使いつつ現代にも繋がる話を展開してるから多分今後もそうなる

これがもし完全オリジナルなら都合良すぎで萎えるけど

モデルがいてある程度は史実通りなので都合良さが緩和される

そのバランス取りがほんとに上手い

個人的には話そのものよりその職人芸の方を面白いと感じてる

(話そのものは、モデル人生調べればある程度分かるわけだし)

れい伏線回収されると気持ちいい、ってのと似た面白

2024-05-17

フェミニスト大嫌いな人こそ、特権階級の女様が主人公ドラマ、虎と翼を見るといい

なぜなら主人公は「ひたすら恵まれている」ハイポジションリベラル女子」だから。日頃から女はズルいと怒り呆れがちな人たちが真っ先に鼻で笑うタイプの恵まれた女だから

ドラマ主人公の寅子は、投資銀行に勤める父と良妻賢母の母という大正昭和初期のアッパークラスの、それもリベラル色の強い理解あるご家庭に生まれて、その潤沢な社会資本を余すことな享受して弁護士の道を自由に邁進している。そして勉強大好きで周囲が態度を変えるほど頭が良く生まれついてもいる。そして子供のころから正義感がある。家柄が良くまっすぐ育った明るい優等生

大学に行っても目立つタイプ、拗らせミソジニーを発動する拗らせエリート同級生男子が、いつの間にかそのまっすぐな人柄にやられて好意を抱いたりする程度にはモテる

寅子の家には、父が面倒を見ている司法試験合格を目指す書生がいて(アッパークラスのご家庭ならでは)この書生とも「私たち同じ道を進む仲間よね」という異性友達ムーブをぶちかましているが、書生は寅子に片思いである。そしてこの書生よりも寅子の方が圧倒的学力がある。要するに立場的にも、恋愛的にも経済的にも非対称性が生じている年上の男性を寅子は「異性の友人」として遇している。中々のタマである

寅子は、前述した好意を抱かれていた拗らせエリートに「彼女結婚してくれとはいえない、彼女の夢を奪うことになるから」と思われて振られてしまうのだが、それまでどっちつかずの態度だったくせにいざ振られるとショックを受けたりするし、せっかく弁護士になったのに依頼が来ないのは私が結婚していない(社会的信用がない)からだ、と思いつき慌てて縁談を探してもらうがうまく行かない。そりゃそうだ。

ところが助け舟で、寅子に片思いしていた家の書生から結婚をしたいと言われる。渡りに船逃げ恥のような「条件偽結婚」だと思い込みスピード結婚を承諾するが、前述のとおり書生は寅子に片思いしていたわけで、初夜にぬいペニ状態となる。かわいそうな仲野太賀…。

と、寅子の痛さを中心に4月ドラマが始まって今日までの1カ月半を振り返った。フェミニスト嫌いの諸氏や、女はずるいと常々思っている諸氏が叩き放題の「豊かさという下駄を履いて産まれた恵まれた女様」それが寅子である伊藤沙莉が演じていなかったら大変なことになっていたと思う。

だが伊藤沙莉の演じる寅子はとっても魅力的である

「虎と翼」は、現代問題昭和初期の物語に練り込んでいる疑似歴史感が臭うドラマだが、一方でモデルになっている三淵嘉子は実在の人で、ドラマにおける寅子のキャリアや背景はモデルのそれをなぞっている。恵まれリベラルな家に生まれ弁護士になり、戦争時代突入し、色々あって戦後日本初の裁判官になるスーパーウーマンである

ドラマの寅子も恵まれた家に生まれ、厳然とした性差別がある世界を、明るく、元気に、強気に突き進んでいく。そして突き進む中で彼女は、自分が周囲と比べ恵まれていること、「自由選択ができるという」下駄を履いて生まれてきたことを徐々に自覚していく。

寅子が持って生まれた豊かな資源は、裏返せば、女に人権がなかった時代には、ここまで特権的に恵まれてなければ法曹界で働く道を切り拓くことができなかった、ということの証左だ。そしてこれを現在に照らせば、形式上男女平等になった現在の女は寅子に比べれば矜持や頑張りが足りない、という振り返りもできるし、現在でもまだまだ形式的しか男女の機会平等は達成されていないよなと振り返ることもできる(医大入試における性差別不正はつい最近出来事だが、あの時は差別だと批判する意見と、女はズルいから消耗が強い診療科を選ばないため合理的配慮だという意見に二分されていた)。

これは、女性人権がなかった頃を引き摺って今も残る男性優位の古い価値観を、改めてマーカーでなぞっていく作業であり、同時に現代の女が抱える特権性の問題も照らし出す作業でもある。

そしてドラマの中では、現代にもしっかり残っている、個人幸福を削るような価値観を改めて再発見することになる。

結婚しなければ社会的信用が得られない」、「エリート男が生きていくには従順に従う女が必要」、「女の弁護士なんて信用できない」、「自分より優秀な女は生意気で目障りだ」、「適齢期を過ぎると縁談がない」、「人は生まれた国や家や身分に縛られる」、「平等を求める声は不平等利益享受する側には届かない」、「上品批判下品な妬みには勝てない」、「お金がないと社会的意義の高い仕事につけない」などなど。昨日どこかのSNSでだれかがぼやいていそうな内容である

これらは女だけではなく、男も同様に削られる呪い価値観である。学友たちはこの呪い価値観によって法曹界で働くという夢を立たれていき、寅子は弱い立場に置かれた人を助けたいという正義実践に加えて、諦めなくてはならなかった仲間への思いを「使命」として背負う人生を選ぶことになる。

平等と戦うに十分な恵まれ武器を持って生まれて、更に先駆者の使命を背負った寅子は、おそらく来週から戦争ターンではどんどん「恵まれていたもの」を奪われていくことになるのだと思う。世紀の愚戦・負け戦の太平洋戦争ってそういうものだったから。男は戦争に行くし残った老人や女子供は空爆さらされる。男も女も人がたくさん死に経済活動は退潮する。

その時でも寅子は「正義」と「使命」をもって生きていくのだろうと思う。モデルの三淵さんは生き残ったし、何しろドラマ主人公なので正義や使命は捨てないだろう笑。

たくさんのものを奪われてなお「正義」と「使命」を失わない女がどんな生き方をするのかのドラマを私はとても楽しみにしている。

そして、形式上の機会が平等になった世界で、これまでずっと恵まれていたはずのものをどんどん奪われ不満が溜まっている人たち、「女は狡い」、「現代の女は特権階級だ」と思っている人こそ、奪われても正義と使命を捨てなかった人のドラマを見てほしいと思う。

フェミニズムドラマくっさー、と思う人も多かろうが、お勧めしたいのには、単純にドラマとして良くできているのもある。

寅子は「戦う女戦士」みたいな感じではまったくなく、前述通りそこそこの空気読めないわがままな、脇の甘い生き方をしていて、いちいちナレーションに突っ込まれている。ナレーション尾野真千子で、芝居がかったナレーションだがコメディの良い味付けになっている。

寅子の両親や兄夫婦明治家族観(男が働き女は家を守る)できわめて円満夫婦関係に描かれている。一方で嫁姑ちょっとしたストレスも描かれたり。父は帝人事件(疑獄事件)の当事者になり、リベラルエリート父親会社での立場に縛られる姿をシリアスに描いてもいる。

また、法曹界への女性進出を後押しする立場であるリベラル派の教授弁護士がしっかりと性差別をしていてフェミニズムにおける父権問題提示していたりもして、本当に痒い所にまで手に届く配慮がされている。セリフやシーンの伏線もとても豊かでドラマとして見ていて普通に面白い出演者はみな手練れの俳優だらけで演技へのストレスはほぼない。

単にドラマとしても面白いので、ぜひ。

フェミニズムドラマとしての側面については、あまりブコメが集まっていなかったがこの記事分析がとても分かり易かったhttps://bunshun.jp/articles/-/70764 これ読むと「女のためだけのドラマ」じゃないことがよくわかると思う。

ところで最後全然話は変わるのだが、昭和初期というのは実はWWIIジャンプして戦後と地続きになっていたかなり民主的かつ退廃的な時代だったらしい。「富国強兵」を叫んで強国を目指していた大日本帝国から現代にいたるGDPの推計推移をみると「戦争が無かったらこグラフの線が素直に上がっていたのではないだろうか」と感じさせるラインが描かれる(https://www.nippon.com/ja/in-depth/a04003/ 中ほどのグラフ)。まあ実際は戦争しないと色々糞づまっていたわけで後付けの皮算用しかないが。

ともかく、人が自由を求めそして退廃を享受できる程度の十分な豊かさが生まれていたのが大正末期から昭和初期の時代。ちょうど朝ドラで描かれているこの時代は、結構現代に近い時代だったりもする。

しかし、このニッポンドットコム笹川財団由来のかなり右寄り情報サイトなのだが、それでも「高度成長期ストック90年代で尽きてその後の策がねえぞ」という分析になっているのが、ちょっとだけ面白いですね。

戦後日本全然凄くない!ちゃん反省してやり直さないとダメだ!」→超経済成長

近年「日本スゴイ日本スゴイ!日本世界一!悪い事の反省なんてしない!都合の悪いことは改ざん捏造言い訳でどうにかしよう!」→超経済衰退

もうね、答えは出てるんですよ

anond:20240517085351

彼らの食事は、戦後後期のヨーロッパの人々の食生活典型と予想されていた食品、すなわちジャガイモルタバガカブパンマカロニ構成されていた。



そら毎日ジャガイモパンだけじゃ精神おかしくなるよ

カロリー問題じゃないわ

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