レジで会計するときは、釣り銭を最適化するように心がけていた。
最適化というのは、自分の財布から出せる範囲で、返ってくる釣り銭の金種と枚数がもっとも小さくなるようにするということ。
3,059円だったら4,000円とか3,100円とかではなくせめて3,060円出す、みたいなアレ。
2,780円に対して3,330円出したりした時はさすがに「ん?」みたいな顔する店員もいるけど(釣り銭は550円)。
こうすればレジ機の中の釣り銭を無駄に消費しないし、なにより店員さんが釣り銭を数えて出す手間が減る(したがって会計が早く終る)。
そして、自分の財布には逆両替できるようなジャラ銭が溜まらない。常に最適な支払いをしていれば、財布の中に1金種5枚以上あることはほぼない(自動的にそうなる)。
しかし世の中は移り変わった。
レジ機の釣り銭の払い出しは自動になってしまったし、そもそも有人レジそのものが減っている。今や行く先々がセルフレジだ。
会計金額の端数に対して財布の中にある小銭から即座に最適化された支払額を計算する能力は、発揮される場をどんどん失っていった。
その代わり、しょうもない横着を覚えた。
とりあえず手持ちの小銭を全部セルフレジにザラザラと投入するのだ。最適化計算はレジ側が勝手にやってくれる。
この方法でも、やはり財布の中身は最適化された状態が保たれる。理論上、1金種5枚以上になることはない。
セルフレジ機には「硬貨は一度に○枚以上投入しないで下さい」といった制限もあるが、まず心配いらない。
財布の中身が最適化された状態に保たれていれば、コインはどんなに多くとも15枚しかないはず(999円の時)で、これを受け付けないレジ機はまずないからだ。