いや別に嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、特別好きでもない。無に近い。
そのことに、映画を観てやっと気が付いた。
20年前、思春期だった自分の周りには、SEEDが好きな友人たちがたくさんいた。
MSが好きな人、キャラが好きな人、CPが好きな人……皆それぞれ何らかの形で熱を上げていた。
みんながこんなにハマるのだから面白いのだろう。素晴らしい作品なのだろう。私自身も毎週リアタイしながら、そう思っていたつもりだった。
で、20年越しの映画ガンダムSEED FREEDOMを観た。
ビッッックリするくらい盛り上がらなかった。私だけ。
周りの人たちは終映後、早速盛り上がっていた。あれがよかった!これがよかった!スゲー!神作品!そんな声まで聞こえてきた。
私はというと、「こんなものか?」くらいの気持ちでボケーと座席に座っていた。
映画自体の出来は素晴らしかったと思う。映像は見応えがあった。ストーリーもまあいい話だった。
私はSEEDシリーズが好きなんだとずっと思っていた。でも確かに、思い返すと「何が好きなのか」は長年よくわからなかった。
MSのカッコよさは私にはわからなかった。キャラクターも誰が好きとか特になかった。映画を観て好きになったキャラとかもなかった。みんながんばってるなあ、とボケ〜と眺めるだけだった。
映画を観た後、興奮気味に感想を語ってくれる友人たちの話を聞きながら、私はそんなにSEEDに興味なかったんだなあ、ということをぼんやり自覚していた。
でも周りの人たちは私のことを「SEEDが好きな人」となぜか認識しているので、四方八方からすごい語られてきて今ちょっと困っている。