2023-08-03

日本高校野球の歪な点

日本高校野球の歪さとして、酷暑の開催と過密日程はよく言われるところだが、もっとも深刻なのは私学強豪校の過剰な部員であると思う。


周知のように現在は超少子化時代で、子供におけるスポーツとしての野球に対する人気もサッカーバスケはるか後塵を拝するようになっている。にもかかわらず、甲子園に出ている私学強豪校のほとんどは、現在でも100人を超える部員を通学圏外からかき集めるという、子供の数が多くてスポーツといえば野球王様だった時代にかろうじて許されたやり方を、最近にもなってもむしろ加速させている。


その結果として何が起こっているか想像の通り。地元では有名だった中学生野球選手が、通学圏外の部員100人超えの強豪校に進学して3年間公式戦に出ることもなく補欠やスタンド応援要員のまま(最悪の場合中退である一方、その選手地元公立校部員数の不足に悩まされ、弱体化に拍車がかかって連合チームになったりしている、という風景が広がるようになっている。かつては甲子園常連だった名門公立校も、部員100人超えの新興私学に太刀打ちできなくなっている。


2010年代以降、予選の参加校数も減少の一途をたどっている。にもかかわらず、現在でも部員100人超えの私学校は全国各地に増殖し、甲子園出場校の多数派を占めつつある。はっきり言って、野球衰退の序曲と断言していいと思う。

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