いつも母が早朝仏壇に供える白飯をそんな暑い日には30分から1時間後にはもう本人が下げるのだが1日じゅう忘れていたらしく
寝る前になって「もう食べられないからこれを捨てておいてほしい」とラップに包まれた、仏具にそえつける容器の形になった小さい3つの丸がくっついたようになっている白飯の塊を渡された
つい1時間半ほど前の話で引き受けて捨てたはずなんだが、しばらく別の作業をしてさっきふとした瞬間にそのことを思い出してみたところ肝心のその「捨てた」行為の記憶がない
慌てて探し始めた
台所の小さいポリ袋(三角コーナーを介さず直接捨てるために置いてある)にも黄色い市のごみ袋の中に貯められた生ごみの中にも部屋にあるいくつかのゴミ箱の中にもトイレに行く途中の棚の上にもその他どこか寄って一旦置いておきそうな場所のどこにもその塊が見当たらない
念のためと思い、いつもは傷む前に下げて母が食べるために冷凍してあるその白飯の塊が複数入ったジップロックを確認してみたがガチガチに凍ったものしかない、あれは1時間やそこらでは凍らないだろう
どれでもないと思うが不安になり、また正直すでに数週間ほど経ったこれらの冷凍ごはんを母が食べるのが少々不安だったのもあり安全側に寄せて全部捨ててしまった
あの白飯の塊はいったいどこへ消えたのか?そしてわたしはまだ30代なんだけどわたしの脳、大丈夫か?わたしの記憶、いったいどこに消えてしまったんだろうか
とりあえず朝わたしより早く起きてくる家族に置手紙をして、どこかで見つけたらそれは食べられないので捨てて置いてほしいと書いておかねばならない
冷蔵庫の中も探したけどないな、本当にどこへ行ったんだよ
まだまだ探す気ですか? それより僕と踊りませんか?
ポケットの中は探したの?
あったらよかったけどポケットのないパジャマを着ている……