2022-09-04

すべての玄関道路側に面している古くさい集合住宅を見るのが好きだ。

名前は知らないが、まあ大方『○○ハイツ』とか『コーポ△△』とかであろう、一言にボロアパートと呼んでも差支えないくらいの、築年数がオレの年齢より二回り以上は経っているのではないかと思えるような古くさい集合住宅、その中でも玄関ドアが全て道路側に面している集合住宅を見るのがとても好きだ。別に統計を取ったわけでもないが、近年建てられた見た目の集合住宅だとベランダ道路側に面しているタイプ多数派のように見える。

建物全体から漂う大時代的な雰囲気、ずらりと並んだ玄関、窓の鉄格子ビニール傘がかかっていたり、コンパクト自転車が置かれていたり、建物によっては洗濯機が外置きになっていたりする。決して住みたいとは思わないが、それを眺めているだけで何か満たされるものがある。そして何より、そこに住んでいる人の生活ぶりを想像するのが楽しい。詳細を書いてもどうせ理解されないと思うので多くは語らないが、たとえば髪を明るく染めた大学生風の可愛い女性があのドアから出てくる様子を見た日には、新しいゲームを買った日の如き心境で夜を明かすことになるだろう。

古い・安い・貧しい。建物に対して抱くイメージを率直に並べるとこうなる。だからこそ、というわけではないが、生活という面での特殊性がたくさんあるのではないかと期待してしまう。あの玄関の向こう側にはオレの知らない世界がはてしなく広がっているはずだと。ロマンと言ってもいいかもしれない。

断っておくが、オレはそういう生活をしている人たちをバカにしているわけでも卑小なものとして見ているわけでもない。いたってまじめに興味を持って見ている、というこの心理をどう表現するべきか分からないが、少なくとも下に見ているのではないとだけはハッキリ言っておく。

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