左派系野党が「減税」を掲げていることについて、正直うんざりしている。自分はゴリゴリの護憲派左翼なので、これまでもこれからも自民に投票することは絶対にないが、「減税」を掲げる野党勢力が大きく勝ってほしくないのが正直な気持ちだ。
たとえば、もし消費減税を掲げる野党勢力が選挙で大勝利して、減税しないと国会が収拾つかなくなった場合を想像してほしい。それを実行するのは左派系野党ではない。あくまで「消費減税するなら社会保障を3割削るぞ」と明言している自公政権(及びネオリベの維新)である。「社会保障費の膨張」に危機感を持つ財務省も、大ナタを振るうきっかけができて大喜びのはずだ。
このように左派系野党が大勝利して減税がめでたく実現した場合、社会保障は立て直すのも困難なまでにボロボロになってしまう。年金や医療が減るだけではなく、岸田首相が掲げる介護士や保育士の賃上げ政策も頓挫するだろう。減税で瞬間的に消費は増えるかもしれないが、長期的には将来不安で消費の慢性的な冷え込みをもたらすことになる。
もちろん野党は減税の財源を社会保障の削減に求めることには反対している。しかし他方で、野党の選挙の看板としては、「社会保障の維持と充実」ではなく「減税」が優先されている。減税を看板に選挙を戦っている以上、減税の生贄が社会保障になることに無責任であってはならないだろう。マックス・ウェーバーの『職業としての政治』でも読んでほしい。
減税しないと国会が収拾つかなくなった場合を想像してほしい。 そんなことありえない どうせ減税せずになあなあで終わらせる 国民はちょっと文句をネットに書き込むだけで終わる