俺は、女性の人権、性暴力による妊娠、胎児の権利、命の定義、産んだ側のその後、産まれた側のその後……、様々な論理的問題の限界点として中絶という制度は許容されるべきという考えなので中絶規制には反対だけど、中絶が許されるべきでないという価値観の人がいるというのは分からないわけではない。
命の定義は各国の法律や文化圏における死生観によって変わってくるけれど、それでも中絶が"広義の命"を殺していることには変わりないわけで、それを許されないと考える人がいるのは自然なことだと思うし、そういう考えも正義の一つの形だと思っている。
だから、自分と同じ中絶規制反対派でも中絶規制派を悪魔や異常者のように扱う人達の気持ちは分からないし、正直、そういう人たちの方が中絶規制派よりよっぽど恐ろしく感じる。
まあ、強姦されて妊娠させられる可能性が現実にある女性の立場からしたら自己の人生の救済としての中絶を禁止しようとしている規制派に怒りを向けるのは正統な感情だと思うけど、ただそれは正義の立場から悪に向ける怒りではなく、対立する他者の権利や正義を踏み潰してでも自分の人生を守らなくちゃいけないんだという生存競争の中での怒りであるべきだと思う。
なんなら産んだ後からトイレにぶち込んだって、女にはいっつも甘い顔したがるんだから 「何週から何週までが命じゃない」とか、そもそもそういう方便の問題ですらねえんだけどな、...